Fuji Rock出演も大盛況、Look Park(Chris Collingwood)インタビュー(全文和訳)
Fuji Rock Festival '16で、ソロプロジェクトLook Parkとしては初の来日を果たした、Chris Collingwood(Fountains of Wayne)のインタビューが、海外パワーポップサイトPOWER OF POPに掲載された。
── なぜFountains of Wayneではなく、ソロ・プロジェクトをスタートさせようと思ったのですか?
FOWの最新作では、僕とAdam(Schlesinger)との軋轢がかなり高まってしまっていたんだ。そのせいで何度もセッションが止まってしまったりしてね。二人でセラピストの診断を受けたりもして、なんとか作品は完成させることができた。でも結局のところ、根本的な解決にはなってなかったのさ。もうそれ以上FOWのアルバムを作れる気がしなくて、何か違うことを始めなきゃ、と思ったんだ。今でもまだ戻れる気がしないよ。人はみんな成長するし、誰もが同じゴールを目指してるわけじゃないと気付くんだよ。
── あなたは以前別のインタビューの中で、全く違う環境で曲を書きたい、Look ParkをFOWに似せたくはない、と語っていましたね。その辺りはどうなりましたか?
最初に曲を書き始めた時、今までやったことがないようなことができる、そんなプロデューサーと一緒にやりたい、とマネージャーに言ったんだ。そしたら彼は、極シンプルでミニマルなデモ・ソングを作るんだ、とアドバイスをくれた。プロデューサーが聴いたとき、その人が自分のアイディアを盛り込む余地を残しておいた方がいいってね。だから僕は最初その通りにデモ・ソングを作っていたんだけど、だんだんと余計にこんがらがってきてさ。僕は自分で全ての楽器のアレンジをするのが好きだし、実際に「Stars of New York」のデモをつくるあたりまではそうやってきた。ドラムマシーンと僕の下手くそなキーボードで、だけどね。
Mitchell Froomをインターネットで見つけて、僕はすぐにいくつかのデモと札束で溢れたブリーフケースの写真を彼に送ったんだ。それからすぐに僕たちは制作をスタートさせた。お互い大陸の真反対にいたけど、メールや電話でやり取りしながらね。彼との作業は、まるで長年の夢がかなったようだったよ。彼はFOWのことはもちろん知ってるけど、ヒット曲以外はそんなに詳しくなかった。でも僕は長年、彼のファンだったし、どんなことを言われても受け入れるつもりだった。そして実際彼は僕が思いもよらないような指示をバンバン出してきてさ。クラッシュ・シンバルはこう、タンバリンはこう、ライドシンバルはこう、ってね。長年培ったレコーディングのセオリーが崩れ落ちたよ。Look Parkでは所謂パワーポップ的な文脈を避けようとしたし、多少支離滅裂感もある。初めは、曲を並べて聞いた時、なんだかナチュラルじゃない感じもしたけど、今となってはそんなイレギュラー感も楽しめるようになったよ。
── Look Parkの作曲やレコーディングで一番大変だったことは?逆に一番簡単だったことは?
FOWとLook Parkでずいぶんたくさんの曲を書いたんだ。大変だったのはどの曲を残して、どの曲を没にするか決めることだったな。とてもノリがいい、「Utopia Parkway」期のFOWみたいな曲もあって気に入ってはいたんだけど、そういうのは既に過去にやったからさ。「Minor Is The Lonely Key」や「I’m Gonna Haunt This Place」「Get On Home」みたいなちょっと暗くてダウンビートな曲にとても惹かれたんだ。それで、このアルバムはちょっと気難しい感じの作品だなって。もっとノリのいい、アップビートな曲をレコーディングしたほうがいいかなってMitchellに話したんだけど、ベストだと思う曲を入れることが大事だって彼は言ったんだ。実際にそうしたしね。今でも僕は、次にレコーディングする機会があるんじゃないかと思って、まだアップビートな曲をあれこれいじりまわしてるけどね。
簡単だったことは、レコーディング作業自体だね。MItchellと僕がパートやアレンジを決めてはいたけど、最終的には二人のミュージシャン(Davey FaragherとMichael Urbano)が、曲を彼ら自身のものにしていったんだ。Mitchellは優秀なミュージシャンを、彼らの好きなように演奏させることの価値を教えてくれたよ。
── Look Parkとしてのライヴの評判はどうですか?
一度目はデュオとして(僕とthe DavenportsのScott Klass)、二度目はNorthamptonでフルバンドとして、それから三度目は日本のFuji Rock Festivalでライヴをしたんだ。レコードを聴いた事がない人たちの前で演奏をするときはいつもすこし慎重になるんだ。とくにデュオの時は沢山のパートやアレンジが演奏されないから。既にレコードを聴いていれば演奏されないパートも頭の中で補えるだろうけどね。特にこのアルバムは単純な4分の4拍子じゃない曲もあるから。フルバンドの時はとても楽しかったし、盛り上がったよ。バンドメンバーの内3人はNorthanmptonで良く知られたミュージシャンだったから、温かく迎え入れてもらえたんだ。
日本でのライヴはいつもどおり最高だった。FOWは2011年に(Fuji Rock Festivalの)大きなステージに出演したんだけど、今回のLook Parkはそれよりも小さなステージだった。日本にはいつも熱狂的に歓迎してくれるコアなファングループがいて、もはや日本は僕にとってホームと言ってもいいくらいだよ。それから、バンドメンバーは誰も日本へ行ったことがなかったから、連れていくのが楽しかったな。
── 今後、どのような規模でライヴ活動をやっていくのですか?米国以外でのライヴの予定もありますか?
デュオとして、スリーピースバンドとして、それからファイブピースのフルバンドとしてのライヴを調整しているんだ。予算が許すかぎり、沢山ライヴをやりたいと思ってるよ。今のところ、スリーピース形態でSqueezeと9月に、それから10月には西海岸とバンクーバーに行く予定。他に決まり次第お知らせするよ!
Look Park 『Look Park』
価格:¥2,200+税
帯+解説書付き
<トラックリスト>
1. Shout Part1
2. Stars Of New York
3. Breezy
4. Aeroplane
5. Minor Is The Lonely Key
6. You Can Come Round If You Want To
7. Iʼm Gonna Haunt This Place
8. Crash That Piano
9. Save Yourself 10. Get On Home
日本盤ボーナスCD-R
11. Minor Is The Lonely Key (Home Demo)
12. Aeroplane (Home Demo)
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Aug 3, 2016