【ライブレポート】The Pillows at Rising Sun Rock Festival in EZO 2013.8.16
Rising Sun Rock Festival in EZO 2013
2013年8月16日。北海道は石狩にて行われたRising Sun Rock Festival 2013。当アカデミーでも、かねてより注目し続けてきたバンドThe Pillowsのステージを目撃した。
“日本一居心地のいい夏フェス”として知られるこのフェスにしては珍しく雨天だったが、なんとか晴れ間が広がってきた午後6時すぎ。まもなくThe Pillowsの出演時間。テントステージとしてはライジング内最大のキャパをもつアース・テントには、すでに多くのファンが詰め掛けていた。アース・テント内に入りきれず、フロア後方にも側面にも人だかりができている。
午後6時40分。爆音のSEと大歓声に迎えられてメンバーがステージに現れた。この絶妙なタイミングで陽が沈み始め、会場を夕陽がドラマティックにライトアップする。そんなできすぎた大自然の演出の中、一曲目「この世の果てまで」がはじまる。会場の後ろの後ろまで手が上がり、大げさな表現じゃなく、本当に全員が全員シンガロングしている。男も女も、キッズもおっさんも全員笑顔。目の前にいる女性なんてお子さんを抱っこしたまま終始ニッコニコだ。
そして、二曲目以降もキラーチューンがずらっと並ぶ。ライブではお馴染みの「LITTLE BUSTERS」や「Funny Bunny」、「ハイブリッド レインボウ」に「LAST DINOSAUR」など、どれもこれもPillows節全開で、最高にオルタナで最高にパワーポップな楽曲達。さらに、ライブ中盤には9月16日にThe Pillowsの結成24周年を記念して発売される新曲「ハッピーバースデー」も披露された。偶然にも、当日8月16日はドラマー佐藤シンイチロウ氏の誕生日でもあったらしく、MC中にはファンから祝福の声が上がる。MCでヴォーカルの山中氏も言っていたが、今年The Pillowsは結成24周年。来年の25周年に向けていろいろな計画があるそうだ。どんなリリースやイベントが行われるのか、今から本当に楽しみだ。
The Pillowsのライブを実際に生で観るのはこれが初めてだった。もちろん楽曲は知っているし、ライブ映像も見た事はあった。でも実際に観た彼らのライブは、やはり映像やCDとは別物だった。実に陳腐な言い回しにはなるが、楽曲以上になにか心に訴えかけてくるものがとてもつよくて、そしてそれに応えるオーディエンスの熱量が物凄くて、正直少し戸惑うくらいだった。
別にMCでこれ見よがしにイイ話をするわけでもない、パフォーマンスが派手なわけでもない、それでもステージからはヒリヒリとするようなテンション感と、まるで観客全員のすべてを引き受けて飛んで行ってくれそうな抱擁感、「大丈夫だ、行こうぜ」と言われているような安心感が確かに伝わってきた。そして、それに応える観客のシンガロング。そういうものがすべて混ざり合った巨大な感情の塊が会場に渦巻いていて、和やかなだけじゃない、緊張感を持った一体感が生まれていたように思う。たぶん、それはアーティストと観客どちらかが一方通行でもダメなのだろう。お互いがお互いを信頼して、求めあって初めて完成されるライブ。それがThe Pillowsというバンドのライブなんだと思った。「また、ライブを観たい」本当にそう思える数少ないアーティストが、またひとつ増えた。
<セットリスト>
1. この世の果てまで
2. サード アイ
3. アナザー モーニング
4. バビロン 天使の詩
5. LITTLE BUSTERS
6. ハッピー・バースデー
7. ONE LIFE
8. Funny Bunny
9. トライアル
10. ハイブリッド レインボウ
11. LAST DINOSAUR
12. Advice
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Oct 2, 2013