【ライブレポート】Jim Boggia & Pete Donnelly at 高円寺The Cluracan 2013.02.09
Japan Tour 2013 初日ライブレポート
2月9日(土)高円寺 The Cluracan
それは本当に待ち遠しいライブだった。
5度目の来日となるJim Boggia兄さん。非常にレベルの高い演奏テクニック・ソングライティングに心からお客さんを楽しませたいというエンターテイナーとしての力量が合わさって、誰もが幸せな気持ちになる。そんな素晴らしいライブを見せてくれるJimに加え、今回はThe FiggsのPete Donnellyがコラボレーションツアーということで、いったいどんな事になるのか。高円寺 Cluracanで行われたツアー初日に参戦してきた。
会場はこじんまりとしつつも雰囲気のあるアイリッシュバー、Cluracan。寒い中、オープン前からすでにお客さんが多数集まっており否が応でも期待が高まる。リハーサルを終えた二人が会場前に現れ、お客さん一人一人に声をかけてくれる。何とも温かい人柄。会場がオープンし、早速最前列に席を確保。客層は若干年配気味ではあるが、これから始まる熱いライブを予感させるかのように全然落ち着かない雰囲気だった。ステージ上にはマイクが2本並んで立っており、テレキャスター・マスタングベース・ウクレレ・アコースティックギターが配置されており、左端にはアップライトのピアノ。開演時間になると、JimとPeteがステージ上がろうとするもお客さんが密集してなかなかステージまで辿り着けなかった。セッティングをしながらJimはすごく楽しそう。お客さんに声をかけたりと笑顔が絶えない。対するPeteは若干ナーバスになっているようにも見えるが果たして!?
まずはPeteがテレキャスター、Jimがマスタングベースを持って、お互いを紹介し大きな拍手の中演奏がスタート。1曲目はPeteによるFace The Bird!エッジの効いた独特のカッティングで勢いのある演奏。何とも心地よいではないか。Jimも慣れた様子でベースを弾きながらコーラスもバッチリ。Jimのベースはクッキリと粒のそろった音。曲が終わるとPeteが「もっとベースの音を大きくして欲しい」と注文。笑いながらJimがヴォリュームを上げ2曲目、PeteによるAlways Something。この人もいい声だなぁ。
ここで楽器を交換。Jimはアコギに持ち替え、Peteはベースを。今度はJimによるBubblegum 45s!イントロでPeteが小気味よいラインを弾きだすと、Jimのテンションが上がるのが分かった。たった二人だけれどこれ以上楽器はいらない位のグルーヴとメロディが流れ出す。間奏では絶妙なベースソロもさらっと入れてしまう。それを聴いて更にJimが勢いに乗る。素敵な相乗効果が。続けてJimのUnderground。雰囲気を読みながら心地よいベースラインを弾きまくるPeteに乗せられ、Jimの声がさらに伸びやかに響く。
ここでそれぞれのソロコーナーへ突入。まずはJimのAnnie Also Run。Jimの真骨頂が如何なく発揮される。合間に挟まれるちょっとしたギターの演出が前回よりも更にグレードアップされていたりして細かいところまでしっかり楽しめた。そしてDance and Song、Nothing Wrong With Meと立て続けにJim節を全力投球!休憩中のPeteはうなずきながら聴いている。
今度はPeteソロコーナー。まずはBreak Through SilenceやCan't Talk at Allを熱唱。ベーシストのギターは本当に独特だ。カッティングや端々のリズムの出し方が気持ちよく耳に入ってくる。そして絞り出すような渋いボーカル。この人一人でも十分に満足のいくライブになるだろうに今回は更にJim Boggiaと二人なのだ。
ここでJim再登場。冗談を言い合ってお互いへのリスペクトぶりが良くわかる。「俺の事好きかい?」なんていって仲良くハグし、Once。Jimの一人弾き語りバージョンも良いけれどこれは絶品。更にPeteとの共作Let Me Believe This Lie。これ以上書いてしまうとこれからツアーを回る先のお客さんの楽しみが減ってしまうので、何の曲をやったかは書かないことにするが、二人の距離が段々と縮まって更に熱を帯びていく様子が手に取るようにわかった。
この後第二部ではJimがやる曲やる曲Peteにベースを弾けと言って、Peteがそれにバッチリ応えるというミュージシャン魂を見せ、更にオーディエンスを巻き込んだ幸せステージが展開されていったのだった。こうして幸せな初日が幕を下ろした。
Jim BoggiaとPete Donnellyという二人のミュージシャンがコラボレーションするこのツアー初日はとても素晴らしかった。Jimは笑顔溢れるマニアックで温かいステージ、Peteはエッジの効いたシャープな勢いのあるステージ。どちらも負けず譲らずの甲乙付けがたい良い演奏だった。けれども、二人とも素晴らしいソングライターであると同時に素晴らしいプレイヤーでもあるので、片方が演奏する時は他方にぐっとシフト出来てしまうのだ。もちろんそれはそれで実に素晴らしいし、二人の持ち味はばっちり出るのだけれど、非常に贅沢な話ではあるがもっとドロドロと混じっていって欲しいと思ってしまった。もちろん、今日がツアー初日。これから全国数か所を回ってよりグレードアップしてくるに違いない。あの曲も、あの曲もまだ聴けていない!!きっと日を追うごとに更に仕上がってくるんだろうと思う。今から最終日が楽しみでならない。まだ迷っている方は是非ともその目で確認しに行って欲しい。たった二人の、素晴らしくゴージャスなライブを!!
- ツアー・スケジュール -
2月9日(土) 東京・高円寺 The Cluracan
2月10日(日) 上諏訪 ベルデ
2月11日(月・祝) 大阪 club WONDER
2月13日(水) 金沢 もっきりや
2月14日(木) 静岡 Freaky Show
2月16日(土) 鎌倉 Cafe Goatee
2月17日(日) 鎌倉 Cafe Goatee
お問い合わせはCafe Goatee ウェブサイトへ
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Feb 13, 2013