JUN's Best Album of 2012/小林ジュン 2012年ベストアルバム
POWERPOP ACADEMY ライター
王道パワーポップ~ビートリッシュポップを中心としたセレクトです! デジタル配信のみリリースのものも大分増えてきて、ジャケットやライナーを楽しみつつ、ディスクとして持っていたい自分としてはちょっと寂しいと思うところもありましたが、今やメディアの一つとして少しずつ慣れてきました…。地味ながら着実にキャリアを積んできた実力派パワーポッパーが大ヒットを放ったり、久々に復活したベテランの活躍も印象に残る2012年でした!
10 『Womanity』Minky Starshine
ボストン出身の実力派パワーポッパー、Minky Starshine。ポウジーズのケン・ストリングフェローや元ジェリーフィッシュのクリス・マニング等とも交流のある彼の新作は、ちょっぴりアップルズのロバート・シュナイダーを彷彿させる、ミンキーのキャッチーでキッチュなパワーポップが更にカラフルに様々な表情を見せており、バブルガムに幸福感に浸れる素敵なアルバムに仕上がった会心作だ!
「Cinematic Mojo」Minky Starshine
09 『Wunjo』Oberon Rose
アメリカから現れた新進マルチ・パワーポッパー、トム・オベーロンのソロプロジェクト、Oberon Rose。ビートルズ〜バッファロー・スプリング・フィールド〜ビッグスター〜ニール・フィン〜マシュー・スウィート〜クリス・ヴォン・スナイダーン〜TFC〜ベン・クウェラー〜ライナス・オブ・ハリウッド〜ウィルコ…などを彷彿させる、豊潤なポップソングの数々は実に味わい深い! 今年ほんとによく聴いた一枚だ♪
「Young Goodman Brown」Oberon Rose
08 『A Step Back』Tim Husty
Three Imaginary Boysというトリオバンドのドラマー&ヴォーカルとしても活動するティム・ハスティによるソロアルバム『A Step Back』。ほとんどの楽器を操る、マルチ・パワーポッパーとしての魅力をも全開させた傑作アルバムに仕上がっている! 僕の大好きな「That Thing You Do!」にも通じる、まるで'60sのポップシーンから飛び出してきたような、溌剌としたビートリッシュポップは、聴く者全てを笑顔にさせる! 要注目のニューパワーポッパーだ!
「Who's To Blame」Tim Husty
07 『Researching The Blues』Redd Kross
1987年にリリースされた2ndアルバム『Neurotics』でのラインナップで復活! 実に15年ぶりとなる待望の新作は、彼らの今までのキャリアに裏打ちされた実に多彩なアルバムに仕上がった! 現在はロバート・ヒッカーに代わり、Celebrity SkinやThe Roofiesで活動しているジェイソン・シャピロがギターを担当してツアーを回っているが、ぜひとも待望の来日公演を実現させてほしいものだ!
「Stay Away From Downtown」Redd Kross
06 『Throwback Pop』Kevin Martin
カリフォルニア出身のインディポップバンド、Get Back Lorettaのヴォーカリスト&キーボーディストのケヴィン・マーティンのソロアルバム『Throwback Pop』は、ビートリッシュなメロディセンスに、エモーショナルなヴォーカル&カラフルなコーラス、時折聴こえるストリングスは、まるでジョージ・マーティンがアレンジしたよう。マジカルなポップソングが詰まった一枚!
「I Wanted To Tell You」Kevin Martin
05 『Great Ideas In Action』Archie Powell & The Exports
シカゴ出身の新進パワーポッパー、Archie Powell率いるArchie Powell & The Exportsによる、2年ぶりとなる待望の2ndアルバム『Great Ideas In Action』。ここで鳴らされるパワーポップのツボを知り尽くしたサウンドは実に心強い! 全てのポップファンにおススメしたい、注目の正統派パワーポップの雄による充実の一枚だ!
「Crazy Pills」Archie Powell & The Exports
04 『Get Yer La La's Out』Chris Richards and The Subtractions
弾けるリズムにキャッチーなメロディ、そしてジャングリーなギターにビタースウィートなヴォーカル&カラフルなハーモニーが詰まった、クリス・リチャ―ズによる正統派パワーポップが詰まった会心作! PVであこがれのKISSのメイクに挑戦したクリス。マシュー・スウィートにも似た巨漢クリスにはまるで似合っていないポールのメイクだが(笑)、鳴らされる音はKISSに憧れた少年時代と変わらず実に瑞々しい!
「It's Something」Chris Richards and the Subtractions
03 『The Anatomy Of An Apricot』8X8
共にマルチプレイヤーであるニューヨーク出身のLane Steinberg(exThe Wind)とウクライナ出身のAlex Khodchenkoを中心としたプロジェクト。ドリーミーな白昼夢に紛れ込んだかのようなサイケなエッセンスが眩しいポップソングが詰まった、実に素敵な一枚に仕上がっており、“現代のOdessey and Oracle”と呼びたい傑作だ! また、Laneとビートリッシュポップの名手David Grahameとのデュオアルバム『Grahame Steinberg』も、併せて聴きたい必聴盤だ!
「Live In Dreamland」8X8
02 『Sunday Sun I&II&III』Sunday Sun
オランダはアムステルダムより彗星のように飛び出してきたニュー・パワーポップバンド、Sunday Sun。実に正統派なポップセンスに溢れており、メンバー四人による卓越したハーモニーには、ジェリーフィッシュあたりにも通じるセンスの良さが感じられて、この3部作となったEPも多彩なポップソングにあふれている! ぜひとも生のステージも体感したい素敵なニューカマーだ!
「Highly Respected Rebel」Sunday Sun
01 『Brand New Beat』Kurt Baker
元The Leftoversの注目のパワーポッパー、Kurt Bakerの初のフルアルバム『Brand New Beat』には、バンド時代以上に正統派パワーポップを鳴らしており、パワーポップの魔法が詰まった素敵な一枚に仕上がっている! また、Second SaturdayのWyatt FunderburkやThe QueersのGeoff Uselessもバックメンバーの一員として名を連ねており、いわば現代のパワーポップシーンの名手たちが集まったユニットとして今後のさらなる活躍にも大いに期待したい! 生でステージを体感したい今が旬のパワーポッパーだ!
「Partied Out」Kurt Baker
以下、11〜30も順不動であげてみる。しかし、どれもベスト10と甲乙つけがたいアルバムたちということは、いうまでもない。
『Grahame Steinberg』Grahame Steinberg
『Acousto De Perfecto』Mike Viola
『Emerald City Love Song』Sweet Diss and the Comebacks
『New England's Newest Hit Makers』The Connection
『Honeybees And Tangerines』The Tor Guides
『What Kind Of World』Brendan Benson
『Daffy's Elixir』Bryan Scary
『Ignition』Shoes
『Leaving Atlanta』Gentleman Jesse and His Men
『Spin a Little Gold』Budokan
『Corner Green』Christopher Holland
『Record Time』Wanderlust
『Moonlighting』The Honeymoon Stallions
『Do It Again』Smash Palace
『New Songs Old Stories』Lannie Flowers
『Mess of Happiness』Jay Gonzalez
『The Day Gravity Stopped』The Figgs
『Dyed in the Wool』Scott Warren
『Shot Glass Souvenir』Throwback Suburbia
『Wing Beat Fantastic』Mike Keneally&Andy Partridge
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Jan 8, 2013