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【FEATURE】「サニチャーとプレイメイツの夜」吉野桃子VS山本聖 共演記念スペシャル対談(2)

「20代のころにインターネットとかがあっても、もしかしたらボロクソ言い合ってたかも」

90年代にアノラック再興ムーヴメント「レイトアノラック」の中心人物として一世を風靡したヨシノモモコ率いるSunnycharと山本聖率いるThe Playmatesとが16年振りの共演するポップファンには信じられないようなイベント「サニチャーとプレイメイツの夜」(すでにSOLD OUT)。POWERPOP ACADEMYでは開催を記念してダメモトでリーダー2人の関係を紐解くべく対談をオファー!なんと、2時間を超えるロング対談が実現してしまいました。リスナーにとっては衝撃の事実が出るわ出るわのビックリ対談(2)お楽しみください。


(1)からの続き


POWERPOP ACADEMY/オサム:
じゃあある意味、Twitterとかが流行りだしてコミュニケーションもっととれるようになって・・・?

聖:いやぁ、お互い大人になったんじゃないっすか(笑)。

桃子:なんかいろんなことがどんどんどうでもよくなって。その「影響受けるかも」っていうのも・・・最近曲を作っていないっていうのもあるんですけど、もうだんだん「自分の曲」とかいうのもどうでもよくなってきてて。で、初めてちゃんとしゃべった時に、私が影響されないようにしていたみたいなことをいったら、「(影響)されて欲しかったわ」みたいに軽く言われて、それを言われたときにその程度の事だったんだよなって思って。別に影響されちゃえばよかったんだなって。

聖:プレイメイツっぽくなっちゃえばよかったのにって。

桃子:そうそう、言われて気が付いて。でも当時は他人の中から出てきたものを自分のものとして出すっていうのをしないように異様に気を付けてて。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
確かにすごいオリジナリティを感じましたよ。歌詞とかも「あなたの余分な肉を・・・」みたいな曲があったりとか、こんな曲なのにこんな歌詞なんだって衝撃を受けたの覚えてますよ

桃子:全然考えなしに作ってるんですけどね(笑)。とにかく今年に入って色々そういう設定みたいなのがバーンとはずれて、「そっかぁ、もっとやっちゃえばよかったかなぁ」って思うけど、まぁ今だから言えるのかも。

聖:あの、ちょっと話戻るけど、僕らが20代のころにインターネットとかがあっても、もしかしたらボロクソ言い合ってたかも。

桃子:うん、たぶんそうな気はする。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
今日お会いして、二人とも超仲良さそうなのに、話聞いてたら知り合ったの全然最近じゃんみたいな。

桃子:仲悪かったわけじゃないんだけど・・・

聖:仲いいも悪いも話したことなかったもんね。

桃子:繰り返しになるんですけど、とにかくすごいことはわかってたんで。音楽的なこととか技術的なことは私わからないんだけど、曲を作って何かを発するっていうことに関して、全然ほかの人と違うなっていうのはずっと思ってたから、それが何かわかんないけど、自分と近いんだろうなって思ったからより遠ざけるっていうか。「混ざるのが怖い」みたいな感じがすごいあったので、だから結構規模がでかいってことはわかってたからタイミングを間違えないようにしないと・・・中途半端に関わると危険、みたいな。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
総帥、危険人物ですね(笑)。

桃子:めちゃめちゃ危険人物ですよ(笑)。

聖:まぁ、危険人物じゃないですか。でも、その言葉ほんとそっくり返します(笑)。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
先日一回クロゴメさんと飲んだことがあって、「今日実は吉野桃子さんに久しぶりに会うんだ」っておっしゃってて、それが後からこういう動きになってるんだって感激しました。

桃子:あぁ、それはみんなでサイゼリヤでご飯食べた時だ。なんか練習やるかやらないかみたいな話したとき。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
Sunnycharはフルメンバーでの復活なんですか?

桃子:えっと、オリジナルメンバーではないけど、一番活動してた時のメンバーで。全員年取ってます(笑)。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
Sunnychar見たことないんですよね。

聖:僕ですら一回だけですよ。

桃子:ほんとにやめたのが早すぎて多分ほとんど見てる人がいない・・・。あんまり過度の期待をしないでください(笑)。

聖:あ、でもね僕一回練習見に行ったんですけど・・・・すごいっすよ(笑)。僕はめっちゃ良かったと思いました。あの、年取って若い頃の曲をやったら、やっぱり年相応のノリでやってくれるんやなっていう・・・なんかマイルドな感じで。でもちょっと意識してるでしょ?

桃子:それはやっぱり。

聖:別にパンキッシュなのとか意識してへんでしょ?

桃子:できないんだよね。体が出来ないんで。

聖:だからね、すっごい自然な演奏やなって。でもちゃんとSunnycharな楽曲やったからすごいうれしかった。

桃子:ありがとうございます。でもスタジオの隅で黙りこくって(笑)。地蔵のようになってた。

聖:だって、他の人なんて全然しゃべったことないから。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
そこもなんですね(笑)。

桃子:8月対バンだし、ご挨拶を・・・みたいな感じで来てくれたんだけど。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
なんとも初々しい感じですね。

桃子:たいして年変わんないのに、みんなになんか若い子扱いされてた(笑)。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
プレイメイツは久しぶりですよね?

聖:プレイメイツは今年2回目かな。大体最近年1,2回のペースでやってる。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
それはClandestineとは別でやってるんですか?

聖:えーっとねぇ、難しいなぁ。運営に関してはプレイメイツは今ほとんど関わってなくて。Clandestineの方も・・・ほとんど関わっていなくって(笑)。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
社長任せなんですね(笑)。

聖:あの、曲でいうと正直そんなに差はないです。一切ない。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
プレイメイツの新曲もねぇ。

聖:そう、どっちの新曲でもおかしくない。あの曲自体2,3年前の曲で。プレイメイツが久しぶりに関西ツアーやるからって一曲作ったやつを。もうその頃にはClandestineだってやってるし。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
最近プレイメイツ見てないんですよねぇ。

聖:え、そうやったっけ?そうか、ライブ終わって来たりとか。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
昔は毎回見に行ってたのに・・・。

聖:そうやね。森本君といっしょにね。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
プレイメイツのベースの子が大学が一緒なんですよ。

桃子:そうなんだー。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
最終的にプレイメイツに入っちゃって。なんか一番心が許せるていうか。

聖:そうか、彼大学行ってたよね。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
すぐ辞めましたけどね。

聖:浪人して入って半年で辞めたんやったっけ(笑)。まぁ、良かったと思うけどね。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
ではここで、ちょっとお二方の音楽的背景というか・・・。

桃子・聖:でたーーー!!

POWERPOP ACADEMY/オサム:
・・・ここは改めてちゃんと聞いてみようかなと。

聖:来るんじゃないかと思ってたよね(笑)

POWERPOP ACADEMY/オサム:
総帥は結構昔から聞いて良く知ってるんですが・・・。

聖:僕はあんまり聞いても面白くないから、ここはやっぱり・・・。

桃子:えー、どうしよー。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
切り口としては、当時って結構カバーをいっぱいやられてたじゃないですか。で、僕らリスナーとしてはインターネットもなかったから、「おお、こんな曲があるんだ」と思ってオリジナルを聴くみたいなことが多かったんですよね。ヘブンリーとかプリミティブズとか。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
マフスもありましたよね。

桃子:あれは、リクエストいただいたからなんですよね。

聖:もっと突っ込もうぜ!(笑)。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
この曲をやろうと思ってやるのは自然な感じだったんですか?今聴いてもフィット感ていうかすごく自然に聴こえるんですよね。

桃子:私、あんまり境目がないので・・・自分の作った曲と自分じゃない人が作った曲っていうのが差がなくて、おんなじなんですけど。自分の中で一つだけルールがあって。自分が曲を作っているときになにかの曲に似ちゃったときに、もし自分が作ったら元の曲に足りなかったもの・・・ちょっと失礼かな・・・その曲の次元が一個上がるっていうか。ただその曲をパクるんじゃなくてなんか一個ボーンて違うものになるって確信が持てたら自分の曲として作るし、そうならないって思ったら素直にカバーしようって。ちゃんとその人の曲ですってクレジットして。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
ふむふむ

桃子:だから、曲を作っていて自分の中で「ボワッ」ってならないなって思ったやつはカバーしてたみたいな感じかな。まぁ基本的には歌いたいって思った曲をやっていたっていうだけで。すごいピンポイントなんですけど、ここの部分のフレーズが歌ってみたいっていうか自分の声帯を震わしてこっから(口から声として)出すっていう形でやってみたいとおもった曲はやるようにしていたみたいな。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
ほー。

桃子:だから昨日もコーラスのハルちゃんと、今度のライブでやろうって私がピックアップしたカバー曲を練習してたんですけど、「これ、やる意味なくない?」って言われて。結局やらないことになったんですけど、彼女は「カバー曲って、聴いた人が誰でも知ってて、みんなが聴いて楽しめる歌をやらなきゃ意味ないじゃん」って。「聴いた人が『あれ?これモモちゃんのオリジナルなの?』って思っちゃうような曲をやっても意味ないじゃん!」って。

聖:ほー!

桃子:そうか、そういう感覚の人もいるんだって思って。私はむしろそういう境目が全然無くて。それはすごい新鮮で私にはない感覚だったから、じゃあそうしようってやめたんですけど。そこで私、ほんとにそういう発想が無いなって再認識しましたね。聴く人がどうとか一回も考えたことないし、この曲をやったらお客さんが喜ぶとか・・・例えばオートマチクスの新井君とかはそういうことを常に一生懸命常に考えている人なんですけど、ほんとに私は申し訳ないくらいにそれがなくって。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
リスナーとしてはやっぱりオリジナルと聴き比べってやっちゃうんですよね。やっぱり違う曲になるなぁって。新鮮な点がいっぱいあって。

桃子:節回しとかは、原曲をそんなに真剣に聴いていなくって。最初に聴いたイメージでただ歌っているだけなんで。自分でピンポイントで歌いたいって思ったところはその通りに歌っているんだけど、それ以外のところは歌詞ののり方とかも確認しないで歌っているから全然合ってないみたいな(笑)。元の歌の人に聴かれたら怒られちゃうようなのが結構多いと思います。でもバンドで演奏するのに、そんなにねぇ。

聖:そうそう、コピーじゃないんやからね。自分のフィルター通さんとね。やってて面白くないもんね。

桃子:なんかその意味では同じじゃない?自分の曲でも人の曲でも体内に取り込んで何かの形で表現するってことだから、曲っていう体で存在するものっていう。

聖:一緒一緒。逆に自分の歌でもなんかあるやん?ダメなやつ(笑)。

桃子:あるよね(笑)。

聖:何回歌ってもダメなやつって。

桃子:友達になれないやつ。作っといてなんだけど、全然ライブでやんない曲とか。だから、私よくカバーのセンスがどうのとか言われるんですけど、そんなに。実際そんなに思い入れのない曲もやっているし。ライナーノーツででっちあげるのが好きだから、色々書いたりはしてるんですけど。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
ってるだけ(笑)。

桃子:ノリで書いてるだけだから。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
たまたまメンバーがみんな知ってる曲だからとかあります?

桃子:メンバーが知らなくてもやってますね。ていうかそういうのも気にしたことないし。メンバーに原曲を聴かせてない。私がまずデモを作っちゃって、それでやってるから。私のデモテープを聴かすのと同じ。元の曲知らないでやってる人もたぶんいる。

聖:あ、一緒一緒。スタジオで弾き語って「これにバックつけてくれー」ってやったやつを・・。「実は誰々の曲なんやけどこれ録音するよ」って(笑)。

桃子:あまり時間無かったら元の曲聴かすってこともあったけど、基本的には自分がやっちゃってからみんなに聴いてもらって。

POWERPOP ACADEMY/オサム:
そんなカラクリがあったんですね。

聖:カラクリってほどでもないけどね。

桃子:だから「すっごいこだわってますよね」とか「音楽愛してる人ですね」っていわれるんですけど、すみませんって(笑)。

聖:そんなもんすよ。ほんとに。

POWERPOP ACADEMY/藤澤:
でも結構こっち(リスナー)には作られて入ってきてるんですよね。

桃子:まじあんまり音楽興味ないんで、すみません(笑)。






(3)に続く





本ライブに関する情報をまとめたオープンソースblog「サニチャーとプレイメイツの夜」ソースblogが立ち上がっており、前売り券販売方法や公式ブート版チラシ、まとめサイトの作成者募集情報などが投稿されている。

8/18(土)吉祥寺Warp
「サニチャーとプレイメイツの夜」
18:30開場/19:00開演
出演:Sunnychar / The Playmates
チケット:前売り1500円/当日1800円(ドリンク代別途)

◎Warpのwebサイト
http://warp.rinky.info/
◎アクセス
http://warp.rinky.info/map.html


The Automatics/THE PLAYMATES at THISTIME ONLINESTORE

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Aug 10, 2012

 

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