【FEATURE】「サニチャーとプレイメイツの夜」吉野桃子VS山本聖 共演記念スペシャル対談(1)
「この人の作る曲は、自分が曲を作っている間は絶対聴かない!」と思った
90年代にアノラック再興ムーヴメント「レイトアノラック」の中心人物として一世を風靡したヨシノモモコ率いるSunnycharと山本聖率いるThe Playmatesとが16年振りの共演するポップファンには信じられないようなイベント「サニチャーとプレイメイツの夜」(すでにSOLD OUT)。POWERPOP ACADEMYでは開催を記念してダメモトでリーダー2人の関係を紐解くべく対談をオファー!なんと、2時間を超えるロング対談が実現してしまいました。リスナーにとっては衝撃の事実が出るわ出るわのビックリ対談、お楽しみください。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
サニチャープレイメイツ共演スペシャル対談ということで本日はよろしくお願いします。
とにかくこの企画のお話を聞いてびっくりしました。もはや伝説のバンドSunnycharの復活ライブに、Playmatesが対バンですよ。
まずは、この企画が持ち上がった経緯なんかを聞かせてください。
聖:どうぞ(笑)
桃子:はい(笑)。うちのベースのクロゴメさんが、Twitterで知り合ったDJとかをやっている方に「サニチャーとか久々にやったりしないんですか」みたいな事を言われたらしくて。それで私も去年Twitterとかを始めてたんで、「ちょっと1回ぐらいライブしてみない?」ってクロゴメさんからお誘いDMが来て。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
突然?(笑)
桃子:突然(笑)。で、今年はその前からたまたまTiger Shovel Noseで超久しぶりにライブやるって決まってたんです。私の地元の先輩のSlight Slappersのクボタさんに誘われて、「先輩の誘いならやります!」って。そこでさらにサニチャーの話が出てきて、今年はそういう流れなのかなって感じて。自分の曲を演奏したいっていう思いはいつもあるし、とりあえずみんなでスタジオに一回入って演奏してみて、「ああ、やっぱライブやりたいね」ってなったらライブとかもやろうってことで何回かやってるうちにだんだんそういう感じになってきて。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
はい
桃子:対バンどうする?とか聞かれたんですけど、普通に何バンドも出てっていうライブは疲れるので(笑)。いろんなものが混線している状況が苦手なので、4つとか出ちゃうといろんな人が居すぎてさばききれなくなっちゃうんで、1バンドでやるか2バンドで対決ぐらいの感じ(笑)がシンプルでいいなと思って。で、「当時サニチャーをやっていた頃に一緒にやっていそうであんまりやる機会がなかったバンドで、自分が好きなバンド」とやりたいなと思ったんですけど、私たまたま三月にプレイメイツを高円寺で見て・・・。
聖:たまたまじゃないでしょ!(笑)見に来てるよね、ちゃんと(笑)
桃子:(笑)でもプレイメイツ出てたのはたまたまだもん。だって、私はあの日はClandestineのLPを買いに行こうと思ってて、そしたらプレイメイツもやるとかいって。
聖:あーそっかそっか。
桃子:あ、プレイメイツもやってるんだ~って。活動してなかったっていうのも知らなかったから。プレイメイツ情報全く知らなかったんで。あ、まだやってるんだって見ていて。でも・・・。
聖:はい、続けて!
桃子:(笑)でも、実は当時1回は共演してるんですけど・・・。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
それって90年代前半位ですか?
聖:たぶん96年かな?シェルターで。1回だけやってるんよね。
POWERPOP ACADEMY/藤澤:
それってSunnycharですか?
聖:Sunnycharです。
POWERPOP ACADEMY/藤澤:
あれ、Sunnycharって解散は・・・?
桃子:もうほんとにその次のライブくらいで解散したみたいな感じ。
聖:95年だか6年だかでしょ?
桃子:うん、うん。だから1回はやってたんですけど、まぁそんなこともあったりして(共演相手はプレイメイツがいいと)パッと思いついたんで。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
じゃあ、そのライブの時はすごい久しぶりの再会だったんですね。
桃子:私、当時ほんとに聖くんの事をすごい避けてて・・・(笑)
POWERPOP ACADEMY/オサム:
え~!!?
桃子:今年再会するまで話したことなかったんですよ。
聖:挨拶程度しかしたことなくて・・。
桃子:「こんにちは」とか「今日はよろしくお願いします」とか・・・
聖:「お疲れ様でした」とか・・・(笑)。
桃子:「すごいよかったです」とか・・(笑)。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
あぁ~、でもなんか当時ちょっと感じてましたよ。対バンは良くしてたけど、実はそんなに仲良くないのかなぁって。
桃子:とりあえず、二人ともコミュニケーション障害なんです(笑)。
聖:あるある。
桃子:人の目を見て話せないみたいな。で、向こうからフレンドリーに話してくれないと自分からとかまず話しかけられないし。
聖:だから話しかけたこともないし、話しかけられたこともない(笑)。
POWERPOP ACADEMY/オサム:じゃあお互いに・・・
桃子:そう。あんまり言いたくないんですけど、私は新井君とかと一緒にバンドをやっていたので、(プレイメイツの)割と最初のデモとかも聴かせてもらったりとかしてて。聴いた瞬間にほんとヤバいと思って。「この人の作る曲は、自分が曲を作っている間は絶対聴かない!」と思ったの。絶対影響を受けるから、音源も一枚も持っていなかった。だけど、古閑さんにもらっちゃったサッドリフレインのサンプルCD、4曲だけ入ってる8cmCDがあってそれだけ持ってて。Darknessとか入っているやつ。それだけは超聴いていて。でもほら、1曲程度だったら影響もそんなに・・・(笑)。とにかく絶対聴かないって思っていて。話さないとかまでは思っていなかったんだけど、それは能力的な問題でできなかった(笑)。
POWERPOP ACADEMY/オサム&藤澤:
(笑)
桃子:だから対バンとかしても真剣に見たことないし。ほんとにまずいと思いました。あまりにも自分が作りたいような曲っていうか、出ている形は全然違うんですけど・・・、感覚のところで「自分はこういう形では曲にしないけど、でも・・・」っていうのをやっているから、それに影響を受けちゃうと、自分が「あ、ひらめいた!いい曲思いついた」と思ったのが、「ヤバいこれ聖くんのやつだ!」みたいなことになりそうな気がしてて。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
なるほど・・・。
桃子:でも今年になって、「私もう曲とか作ってないから、聖くんの曲聴いてもいいんじゃん!」て思って(笑)。それでYouTubeとかで見たりして。
聖:僕は彼女のオートマチクスの最初のやつからリアルタイムでめっちゃ聴いてたよ。めーっちゃ聴いてた。聴いてたけども、あまりにもすごすぎて話しかけられへんかった(笑)。
POWERPOP ACADEMY/藤澤:
あの当時だったら、誰かが勝手に紹介したりっていうシチュエーションてなかったんですか?
聖:あぁ、だって楽屋とかも一緒やし、みんなでおんなじ4畳半の部屋とかで普通に・・・・・・
ねぇ?(笑)。
桃子:ネモト君(※The NERDS/ショボーレ3/Tiroleantape Chapterのネモト・ド・ショボーレ) の家に一緒に行ったことあるらしいんですけど、全然覚えてなくって・・・。
聖:一緒に行ったりとかしてるのに、数人の間でここだけが一切しゃべらないみたいな。
桃子:一切関わっていないっていうか。でも私ほんとに覚えていなくって、再会してしゃべったときにその話聞いて・・・。ほんとに全然・・・。
聖:僕は、「うわぁ、おんなじ部屋に吉野桃子いるわぁ!」って。どうしよーって思ってた。
桃子:私、あんまり昔の事覚えていなくって。人の顔も覚えないし基本的にあんまり周り見ないようにしているから。そういうことはいっぱいあるんですけど。
聖:僕はね、結構彼女のライブみてます。対バンする時は必ず見てます。
桃子:そんなに一緒にやってたんだってすごいびっくりし・・・
聖:(食い気味に)やってます!!
桃子:申し訳ないです・・・先輩(笑)。ほんとびっくりしました。
POWERPOP ACADEMY/藤澤:
大先輩から、例えば古閑さん(K.O.G.A)なりからその不穏な空気みたいなのに対しておせっかいとかなかったんですか?
桃子:でも実際問題遠くに住んでいたし、普段そんなに会わないし。私、打ち上げとかも全く行かないんで・・・。
聖:僕も家遠かったんで、すぐ車で姫路まで帰っちゃうんで・・・。
桃子:物理的に遠かったんで普段会う事ってなかったし。
聖:人のライブとかで見かけることはあっても、っていう程度かな。
桃子:すっごく知ってはいるけど、一番関わっていない人・・・。
聖:名前とかは知ってたよね?
桃子:名前は知ってましたよ(笑)。
聖:あなたの記憶力そのレベルやから。
桃子:でも、ものすごい人だっていう認識はしていましたよ。ほんとに。でも、当時のルックスがチャラ過ぎて(笑)。
聖:出た(笑)。
桃子:だから「なんでこんなチャラい奴がこんないい歌を作るんだ」みたいな、そういうのもあったし。
聖:そんなにチャラかったっけ?
桃子:めちゃめちゃチャラかったですよ。
聖:それが人気あったんやって(笑)。
桃子:一番苦手な感じのバンドマンみたいな。
聖:田舎のね。
桃子:すっごいヘラヘラしたチャラい感じの・・・。絡むことはないだろうみたいな(笑)。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
でも総帥が東京にいた時とかは?
聖:あぁ、数か月だけ東京に住んでたことがあって。まぁ見かけたことはあるけど、話しかけたことはやっぱりない。
桃子:私、そんなに聴いてもらってるとかも知らなくって、あんまり私の曲に興味ないんじゃないかって思ってた。
聖:最近まで言ってたもんね。全然興味ないんじゃないのって。でも僕はめちゃめちゃリスペクトしてて。
桃子:そんなの全然かけらも・・・・。
聖:うん。まあ一切言わへんかったけどね。
桃子:だから言えよって(笑)。
POWERPOP ACADEMY/オサム:
ブライアン・ウィルソンとレノン-マッカートニーみたいな。
聖:僕はほんとにすごい人やと思ってた。
桃子:私もほんとにすごい人だと思ってました。だけど全然正しく認識していなかった。ほんとにバンド界隈で楽しくやっているチャラい人っていうイメージで、なんか友達もたくさんいて、なんか楽しそうにやっていて、私とはリンクしない感じでバンドライフを謳歌している人だなっていう認識だったので。
聖:実はめっちゃ友達少なかったっていうね(笑)。
桃子:一緒じゃんって(笑)。すっごいびっくりしました。
聖:バンド友達めっちゃ少ないっていう。
桃子:すごい衝撃でした。
聖:そこは一緒でしたね。
本ライブに関する情報をまとめたオープンソースblog「サニチャーとプレイメイツの夜」ソースblogが立ち上がっており、前売り券販売方法や公式ブート版チラシ、まとめサイトの作成者募集情報などが投稿されている。
8/18(土)吉祥寺Warp
「サニチャーとプレイメイツの夜」
18:30開場/19:00開演
出演:Sunnychar / The Playmates
チケット:前売り1500円/当日1800円(ドリンク代別途)
◎Warpのwebサイト
http://warp.rinky.info/
◎アクセス
http://warp.rinky.info/map.html
The Automatics/THE PLAYMATES at THISTIME ONLINESTORE
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Aug 9, 2012