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Mike Viola

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【INTERVIEW】「直感をたよりに理由とか定義なしに作った、これこそが強いて言えばコンセプトかな」 Mike Viola インタビュー

「Electro De Perfecto」

知る人ぞ知るパワーポップ職人、Mike Viola!昨年ドロップした会心作「Electro De Perfecto」がパワーポップファンのハートを鷲掴みし勢いに乗る中、盟友Fountains Of Wayneのサポートアクトとして3度目の来日も果たした。我がPowerpop AcademyではこのMike Violaにドキドキインタビューを敢行する。


お久しぶりです、今回はインタビューの機会をいただきありがとうございます。

POWERPOP ACADEMY
昨年リリースされたアルバム「Electro De Perfecto」は、我々Powerpop Academyの2011年トップ50アルバムの中で堂々の2位を獲得したんです。楽曲もアレンジもすごく心地よくて、アートワークもこれまでとは少し毛色が違うなと思うのですが、「Electro De Perfecto」と題されたこのアルバムに対するコンセプトなど聞かせてください。




Mike
前作Lurchはスタジオアルバムだったんだ。僕と旧友Duckyと、会ったばかりだったけれど信頼できるミュージシャン達との制作した。レーベルがメジャー出なかったおかげで、すごく自由に作ることが出来たんだ。僕の大好きな60年代初期とか70年代後期の音楽、例えばゾンビーズやビートルズ、もちろんPaul McCartneyの初期、特にRUM。最初はPaul Simonの初期のソロやPaul McCartneyやstevie wonderを意識しながら縛りのない自由な環境で、自分が聴きたいって思うレコードを作ったんだ。Lurchは言葉のとおり(身振りを混ぜながらの説明つきで)前のめりな感じ、解き放たれた印象の出来になってるね。
で、次のアルバムはLosAngelsに移って知り合いもあまりいなくて、何となく孤独感があった時に書いた曲なんだ。このアルバムを作るときに映画の楽曲製作の仕事で素晴らしいミュージシャンと共演する機会に恵まれたんだ。ジャムりながらアイデアを生みだしていったんだ。ドラマー(Victor Indrizzo)の音がすごくラウドで、ベースプレーヤー(Sean Hurley)なんかイナズマみたいなんだ。それで彼らと曲を作り始めた。とても楽しい体験だったよ。それで自分用ミニマムな印象のものでなくて、もっと大きな印象のものが必要だったんだ。とにかく自分のレコーディングが始まってから自宅で製作してると、一人娘が曲を聴きつけて「エレクトロ・・・・(アルバムタイトル)って感じゃない?」と言ったんだよ!学校でスペイン語の授業があるから、それなりに言葉は知と言ったんだよ!学校でスペイン語の授業があるから、それなりに言葉は知ってて、まー意味あって言ったわけじゃないけど、サウンド的にそう閃いたんだろうね。僕も意味が分からず、ネットで辞書を引いたんだけど(笑)。何か意味があったわけじゃないんだけど、ただ彼女のヒラメキがすごくしっくりと響いたんだ。それでタイトルは決まり!
僕は思いついたらぱっぱと作業する方で、ほら、俳句を書くみたいにさ。(部屋に置いてあるランプを指しながら)ランプについてじっくり考えて考えて、ランプの構造とかまで作り上げてって感じで深くじっくり考えこんで作り上げるんじゃなくて、僕の場合はまさにヒラメキなんだ!侍みたいにさ、こうスパッと歯切れよく切り込むというか。とにかく回りくどく説明したりこじつけたりなしで、まず作るんだよ。だから物凄いスピードでできあがった作品だよ。だからコンセプトと言っても・・・直感をたよりに理由とか定義なしに作った、これこそが強いて言えばコンセプトかな。長いよね今の答え(笑)




POWERPOP ACADEMY
映画用の楽曲提供、Get Him To The Greek(Infant Sorrow)への参加も素晴らしかったですね。曲やボーカルを聴いただけでMikeさんだってわかってとてもワクワクしました。色々な方と共作されていましたね。そこでの思い出エピソードなどあれば教えてください。




Mike
面白い作業だったよ。ひとつの場面に対して10~15の曲を求められるんだもの。それを製作者側が選ぶんだ。お題を渡されて例えば「喝采」なんていう場面想定があって、いろんなタイプの曲を書かされるんだよ。膨大な曲数だから、膨大な作業になるわけ。その日の終わりには精魂尽きて、ふだんなら笑えることにも反応しないくらい力が尽きちゃうような感じだったね、本当に。





※クリックで拡大




POWERPOP ACADEMY
共作といえば、John Wesley HardingやBleuなど多くのミュージシャンと素晴らしい曲を作られていますが、気を付けていることやイニシアティブの取り方、他では得られない感覚など聞かせてください。




Mike
主導は誰もがするべきじゃないし、我慢や妥協はつき物だよ。でもソロ製作では生まれることのない思いがけないアイデアやアクシデントに出会い素晴らしい結果を導いたりするんだ。John Wesley Hardingは歌詞を10曲も送ってきて気に入ったものに僕が曲をつけて送り返すっていうやり取りを1~2日だけでぱっと仕上げたよ。一緒に製作は1曲もしてないってとは彼が半分曲を作り、僕が半分作ってアレンジは助け合ったり。Duckeyの隣に住んでるJimmy Kennyとの場合は、一緒に作ったり・・相手によっても方法が違うんだ。
BleuやDan Wilsonは共作が得意みたいにも思えるな・・・むしろソロより。僕はどっちともいえない。その時々で、よりよい方法であるならどっちでもいいと思ってる。音楽を作ることがポイントで方法は二の次というか・・少しだけ寝て、起きてるときは音楽三昧なのが僕だからね。音楽作りはその空間で生まれるけ化学反応が大事なんだ!




POWERPOP ACADEMY
BleuとはMajor Labelsとして一緒に来日されていましたね。私事ですが、TOTOSというバンドでサポートアクトを務めさせてもらってとても感激でした。Bleuは我がPowerpop Academyからアルバムをリリースしています。Bleuとはどうやって知り合ったんですか?また、Major Labelsの今後の活動はあるんですか?




Mike
覚えてるよ!僕の東京でのファーストショーだったよね。TOTOS!!2004年にBleuとはボストンで知り合ったよ。隔週でとあるシアターで地元バンドとステージに出てたんだ。僕なりにボストンに行く理由が必要だったというか・・・当時、母の具合が悪くて、ボストンに仕事で行ければ母を見舞うこともできたから、ボストンへ行きたかったんだ。Bleuはそこに出てた人気ミュージシャンのひとりだった。ここのステージは面白くてね、ステージごとにお題が決まってるんだ。「夢」とか「電話」とか、それにまつわる曲を演奏するっていうね。Bleuとは「電話」がお題の晩に共演したんだよ。E.L.O.のTelephone Lineをね。あとはBlondieのHanging on the telephoneもね。とにかくそうやって知り合ったんだ。彼は知ってのとおり声が「大きく」て騒々しいヤツなんだけど(笑)。僕はBleuがすっごく好きなんだよ!僕にはないとてつもないエネルギッシュなヤツさ。音楽的にはすごく攻撃的というか勢いのある前のめりなミュージシャンだよね。美しいメロディの曲でも力強い歌唱だろしてしまうだろ?Bleuの前だと耳を押さえとかないと(両手で耳を覆う仕草)もううるさいくらい!知ってるでしょ?
でもそんなBleuだ� �けど実は結構、細かな気遣いや想いのある素顔もあるんだよ。僕は平気で友達の誕生日を忘れたりして、気の利かない男なんだけど、Bleuは男友達を大事にする付き合いのいい気のいい男なんだ。僕には音楽しかなくて、それをとったら何もないよ!
Major Labelsは1枚目がすごくよかったからね。予定も考えもとりあえずないんだ。ま、Bleuにも聞いてごらんよ(笑)。とにかくすっごくよいアルバムだよ、あれは。製作時間も短くあっというまに出来上がったんだ!出来上がった後、どうしようか考えたけれど・・・・次回作を作るとかね。でもわからないなぁ。Bleuはもっと色々やりたがりだからね。Loud LionとかL.E.O.プロジェクトとか・・・。





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POWERPOP ACADEMY
では次回作の話を・・・・(もっと長い質問を考えていたが、Mikeはどや顔で次回作について語ってくれた)


次回作はもう出来てるんだ!ジャケットを見せてあげるよ!(自分のMacを操作し新作のジャケットを見せてくれた。ジャケットは青が基調で三人の顔が写っている)。これは僕と二人のヴィオラプレーヤーなんだ。Mike and Violasって訳さ(笑)全部アコースティックのアルバムでヴィオラが入ってるんだ。Hair Of The Dogも入ってるよ。Eletro De Perfectoから2曲再録したんだよ。だからAcousto De Perfectoって訳さ。ある意味ダブルアルバムなんだよね。




POWERPOP ACADEMY
個人的にアコースティックアルバムの「Just Before Dark」がすごく好きなんです。Largoでのライブ録音ということもあって聴けば聴くほど味が出るアルバムだと思います。ジャケットに移っているのはIzzyちゃん(娘さん)ですよね?Tumblrでもよく登場していますが、彼女もミュージシャンになってほしいですか?




Mike
妻のオードリーが娘のイザベラを抱いてる写真だよ、そう僕の娘。(iPhoneの中の最近の娘の写真を見せてくれる)7歳だよ!可愛いだろ?
Izumi(Mikeの友達)と今日話してたんだよ。彼女が幸せな気分で暮らせるなら、やりたいと思うそのことを糧にしたら、それがいちばんいいことなんじゃないかって思うんだよ。何だっていいんだよね。郵便局やスーパーで元気に幸せに働く人をみせたりして、こう話したんだ。何かを創造するだけが仕事じゃないんだよ、もちろん、そういう(ミュージシャンとか)になりたければ、なればいいけど。別に何をしててもいいんだよって。人には選択肢があって、僕には音楽しかないからこれでいいんだけど。彼女にはこれしかないって思って欲しくないからね。妻と僕は夫婦関係がうまくいかなくて、困った時期があったんだ。家族とは物理的にも心理的にもみぞができてたんだけど、その反対に曲のほうはいいものがたくさん生まれたんだ。今になって、妻は僕の曲を通して、僕の内面を理解してくれた、そう思うんだ。




POWERPOP ACADEMY
今回は盟友Fountains Of Wayneと一緒に来日ということですが、随所で彼らのアクトにも参加されていてファンとしてはとても楽しいショーでした。アルバムにも参加されているし、よく共演されていますよね?ChrisとはMarcy Bucketsってバンドを組んでいたっていう話を聞いたことがあるんですが、それも含めFountains Of Wayneとの関係を教えてください。




Mike
Chrisがボストンのショウによく来てくれて、彼はどのバンドにも入ってなかったから一緒にプレイするようになったんだ。Marcy BucketsっていうWILCOみたいな感じのアコースティックなバンドだったよ。オルタナカントリーよりの。僕はNYに移ってAdamと住み始め、そこで3人でバンドを組んだんだ。それから僕はレコード契約ができて、ふたりは僕とは別にFountains Of Wayneを始めたんだ。長年の友達だけど・・・くっついたり離れたり、音楽からはなれたり、またもどったり・・・今はこうして一緒に仕事がまたできて、嬉しく思ってるんだ。




POWERPOP ACADEMY
Marcy Bucketsの音源はない?




Mike
音源はないよ。録音してないからね(笑)だけどfire in the CanyonはMarcy Bucketsの曲なんだよ。Truck Stop Sweetheartもね。
ベーシストがちょっと問題ありの人物で・・いつでも飲んでて最後まできちんとプレイできやしないんだ、すっごくいいやつなんだけど人としてはね。だからクビにしたよ!クリスと話したんだけどレコーディングは実現しなかったなー。




POWERPOP ACADEMY
Chrisとのステージぜひ見たいですね~。




Mike
今夜やるよ!ふたりでツアーなんて話だってしてるんだから!アコースティックでね。やりたいよねー。小さいステージでね。




POWERPOP ACADEMY
来日は今回で3回目ですよね。日本の観客の印象はどうですか?




Mike
世界のどこを探してもこんなに良い観客はいないよ。曲を聴いてくれてるもの!ミュージシャンとしてはすごく曲に集中できると思う。文化的なものなんだろうけど、集中して聴いてくれてる姿勢が本当に嬉しいね。例え歌詞の隅々まで理解してないとしても、フィーリングとかパッションとかを感じてくれる!素晴らしいよ。




POWERPOP ACADEMY
先ほどのニューアルバムのリリース予定やサポートアクトなどの予定を聞かせてください。




Mike
Electo De Perfectoはアメリカで11月リリースだったけど、日本では今ようやくiTunesでも購入可能になったわけなんだ。でもCDとしては未発なんだ。だから僕の一存でどうにでもなるわけ。国外でどう販売するかはこれから検討していこうかと・・5月の中旬に自主レーベルからオンラインストアで販売しようかと思ってるんだ。1枚1枚にサイン入りで郵送手続きだって僕がするつもり!ボーナストラックもね。Elvis CosttelloのGod Give Me Strengthをね。この曲知ってる?家に帰ったらレコーディングしなきゃ。後は・・・僕のPRIMERってCDを最初の250枚にただでつけようかと思ってる。こんな感じかな。とにかく、Webサイトでチェックしていて欲しいな。僕が一人でサインして梱包して送り出すからね(笑)。
日本には7月に戻ってこれたら・・って思ってる。Rooneyってバンド知ってる?彼らにギターとベースをやってもらって彼らと一緒に来たいと思ってる。・・・FujiRockに来れたらって奮闘中だよ。BleuやDuckeyと一緒に演奏するのも楽しいんだけどね、Rooneyは歌も演奏も本当にプロなんだよ。一緒にやっていてとても楽しいよ。・・・できれば7月にね。前にFountains Of Wayneと来日するって話してて、すぐには実現できなかったけ、今回こうして来れた訳だしね。本当に日本のカルチャーが好きだし人も好きだし是非戻ってきたい。前回の来日では、疲れきってて何もしなかったけど、今回はファンやミュージシャンや知人と会って、話して楽しく過ごしてるよ。




POWERPOP ACADEMY
今日は本当にありがとうございました。是非また日本に戻ってきてください。そして、「Give Me Second Chance For Interview!」(Give Me Second Chance For Christmasに引っ掛けて)。




Mike
もちろんだよ。インタビューありがとう。今晩、Fire In The Canyonやるよ!そういえば学長、TOTOSは新譜ないのかい?


学長
・・・・もう活動していないんです・・・・
※先日活動再開を発表



Mike
いいバンドは続けるのが難しいよね・・・・



学長
(感激し昇天・・・・・)



Mike
いいバンドは続けるのが難しいよね・・・・



学長
(感激し昇天・・・・・)




学長
Mike Violaは終始笑顔で文字に起こせないくらいすごくたくさんの事を語ってくれた。彼の楽曲と同じでアイデアが次から次へ溢れ出てくるように言葉が次から次へ出てくる感じだった。彼のアクティブな活動を今後も追い続けていきたいと思う。

Electro De Perfecto
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Jul 11, 2012

 

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