【INTERVIEW】普遍的な自分と、その時の空気 99RadioServiceインタビュー
抵抗なく育っていればあの全身が痺れるような衝撃もなかった
先日公開したBleuからの提供楽曲「It Isn't You It's Me」も大好評の99RadioService。いよいよ明日から始まる米SSW、Bleuとの共演を前にフロントマンのKo-ta、Ko-hey兄弟にインタビューを敢行した。
POWERPOP ACADEMY
Ko-taさん、Ko-heyさんはビートルズなどのロック古典に子供の頃から親しんでいたそうですね。60’s~70’sのロックに対して抵抗なく育った?
Ko-ta
子供の頃から親しんでいたという訳ではないですが、親がその辺りの音楽を主に聴いていたのでなんとなく体には入っていましたね。もちろん日本で生まれ育っているのでテレビや町中で流れてくるものも分け隔てなく聴いていましたよ。ロックに関して言えば、もし抵抗なく育っていればあの全身が痺れるような衝撃もなかっただろうし、今現在もその衝撃を産み出そうと苦労することも無かったでしょうね。それぐらい違和感を感じるほどのものだと思ってます。
Ko-hey
はい。小さい時に家とか車で流れてたのは基本的にその辺の音が多かったからむしろ80s~90sのテレビから流れてくるロックシーンとかの方が当時の僕には抵抗があったのかなー。
POWERPOP ACADEMY
そうした古いアーティストたちでは、特に誰を気に入って聴いてました?
Ko-ta
僕は音楽を聴く時も、プレイする時も、色々な自分に置き換えてるんですよ。なので沢山聴きますよ。強いてあげるならば好きなのはボブ・ディラン。ギターを始めたルーツもエレキじゃなくてアコギの方が先なんですよ。そこから追っていくといつの間にかフォークロックにたどり着くんですよね。あとは以外と日本のフォークも大好きです。中でもチューリップは大好きです。
Ko-hey
やっぱり1番はビートルズね。他にもバーズとかホリーズとかは良く聞いてたね。コータはもっとフォーキーなの好きだけど俺は割とシティー系だからちょっとした違いは出たかもね。笑
POWERPOP ACADEMY
自発的に洋楽を聴くようになったきっかけ、最初にハマッた曲やアルバムを教えてください。
Ko-ta
自発的にはじめて一人で買いに行ったのはジャクソン・ブラウンでした。実家の近所に一軒寂れたレコード屋があって、中学校の時恐る恐るそこに入ると中にはおじちゃんが一人で営業してました。もちろんお客さんも僕だけだったので相当緊張しましたね。そしたらそのおっさんが何聴くの?って聴いてきたので何聴けば良いですか?って返したんですよ。そしたらじゃあ色々聴いてみるか?っておもむろにレコードをかけ始めました。どれも魅力的でその中でも特に気いったのがジャクソン・ブラウンのレイトフォーザスカイだったなー。それを買って帰ると幸い親父のレコードプレイヤーがあったので、一人でこっそり聴いたのを思い出します。それからしばらく学校が終わるとその店に通って色々教えてもらいましたね。親父に教えられたものとは違って、どれを聴いてもものすごくスリリングに感じられました。
Ko-hey
Hansonの"きらめきンーバップ"は衝撃だった!兄弟でバンドって発想は実はこの辺から来てるのかも知れない。まぁその後聴いたオアシスで確定的になったけどね。
POWERPOP ACADEMY
パンクにハマッていた時期もあったそうですが、その頃はどんなアーティストに影響されていたんでしょう? 日本のバンドからも刺激された?
Ko-ta
パンクには誰もが17歳の時にはまるんじゃないんですか?ちょうど僕が17歳の時にピストルズのNO FUTUREっていう映画が劇場でやってたんですよ。あれをあの時期に聴いたら誰でもアナーキーになりますよね。僕は枕元に等身大のロットンのポスターを貼ってました。その頃日本のロックシーンはTMGEもHISTANDARDも全盛期でしたからね。あれに影響されない同年代はいなかったんじゃないかな?
Ko-hey
俺音楽のジャンルがあんまりわかんないんだ。パンクってピストルズからどこまでパンクなんだろ?ノーエフとかもそうかな?そうならノーエフは狂った様に聞いてベースボーカルやってた時期はあった!!
POWERPOP ACADEMY
いわゆるパワー・ポップからの影響について言うと、やはりウィーザーやファウンテインズ・オブ・ウェインあたりが好みでしょうか?> 他にどんなバンドが好きなのか教えてください。
Ko-ta
ファウンテインズ・オブ・ウェインは好きだなー。ウィーザーは意外とほとんど通ってないんですよ。泣き虫なところがぼくの心をくすぐらなかったんです。あとはゲット・アップ・キッズが99のルーツです。
Ko-hey
俺はウィーザーを全く通ってないんだよね。この事実はすごく恥ずかしいから言いたくないんだけど事実として言っておかないとね。好きなバンドは解散したけどJETだね。それとバンドじゃないけどテイラースウィフトは大好き!
POWERPOP ACADEMY
デス・キャブ・フォー・キューティあたりを彷彿させる、泣けるメロディも度々出てきますね。その辺の、初期エモ寄りのバンドも通ってる?
Ko-ta
デスキャブ大好きです。すべて好きです。でもあんまり意識はしてないです。でも入っちゃってんでしょうね。体に。
Ko-hey
初期エモは知ってはいたけどあんまり好みじゃないから俺はあんまり。そして俺はデスキャブはオルタナだと思ってたorz
POWERPOP ACADEMY
単に正面からパワー・ポップらしい曲をやるのではなく、オールド・ロック的要素もたっぷりブレンドしているところが99ならではの個性だと感じました。そうした混ぜ具合は、意図的にそうしている?
Ko-ta
全然意図的じゃないです。むしろパワーポップを感じていただいているのも意図的じゃないです。常に何かを意識して曲を書いているわけではないので、そのときの自分によって変わってくると思います。大事にしているのは普遍的な自分と、その時の空気です。
Ko-hey
パワーポップをしてるって自意識もないからなんとも答え辛いけど、ギターのサウンドは特に大事にしてる。それと曲は基本的には弾き語りできる様にってのも大事にしてる。だからそういうテイストに聞こえるのかも知れないね。
POWERPOP ACADEMY
“Follow Her Dog”は全パワー・ポップ・ファン即死の、屈指の名曲だと思います。これはどんなイメージで生まれた曲なのでしょうか?> サウンド的にはアトラクションズ時代のコステロに通じる雰囲気を感じたんですが。
Ko-ta
この曲はもともと弾き語り用に僕が書いてきた曲なんですよ。だから元は全然違う曲です。そこから全員で合わせていくとああなるわけですね。実はもとネタはボブ・ディランを意識してます...
Ko-hey
全く覚えてないんですよね。笑
POWERPOP ACADEMY
アルバム『2』から日本語詞の曲に挑んでいますが、歌詞については、どんなバンドに共感しますか?
日本語をパワー・ポップ的なサウンドにうまく乗せられた例はそう多くないですよね。
Ko-ta
歌詞に関しては聴いてもらう人のイメージを大事にして欲しいし、あまり先入観をいだいて欲しくないので言えません。ただ、音との乗り方は大切にしているので、いつも孝平と一番時間をかけて練る部分であります。曲を作る割合の中で、一番時間をかけます。
Ko-hey
基本的には日本の全てのアーティストに共感する面はある。けどアイドルは全くできない。すげーかわいいけど。かわいいからかな?
POWERPOP ACADEMY
『1』と『2』はサウンド的にも地続きでしたが、3枚目ではどんなアプローチを?
シングル「YOUTHFUL」を経て、新たな展開も出てきそうでしょうか?
Ko-ta
常にベストを叩き出しながら成長していきたいので前回はこうだったからとかっていう考えは無いです。ただ、もちろん自分達の経験として反映していくものなので、次を出させていただけるならそれはそれはすごいものを作る自信はあります。
Ko-hey
出てくるてしょうね。今後が楽しみです。
POWERPOP ACADEMY
ブルウとのコラボ曲についても教えてください。これはどんな内容になりそうですか
Ko-ta
今回はじめてのカバーだったので、思いっきり降りきってやりました。自分達の曲では出せないアプローチも存分に発揮しました。意外な発見で、ここまで降りきっても自分達は自分達なんだなと良い意味で勉強も出来ました。自分達の直球のパワーポップに仕上がってます。
Ko-ta
常にベストを叩き出しながら成長していきたいので前回はこうだったからとかっていう考えは無いです。ただ、もちろん自分達の経験として反映していくものなので、次を出させていただけるならそれはそれはすごいものを作る自信はあります。
Ko-hey
ちょうどシングルのレコーディング中だったのもあってかなりコータが煮詰まってた中にこの話が来たからいい発散になると思って受けたんだ。曲はすごい骨太だよ。今までここまで振り切ってマッチョになったことなかったからギターはさぞかし気持ちいいと思う。
POWERPOP ACADEMY
ブルウも今っぽさと昔っぽさをうまくブレンドしたサウンドの持ち主ですが、彼の魅力はどんなところにあると思う?
Ko-ta
まずは曲の多彩性でしょうね。これは日本で生まれ育ったら中々ゲットしにくい才能でしょう。あとは以外と骨太な歌詞にも魅力を感じます。あとはモミアゲの魅力は外せないでしょうね。
Ko-hey
タレンティブな部分じゃないかな?
でもまだ生で見たことないから21日からのツアーでもっとそれを見つけたいね。楽しみにしてるぜー!
POWERPOP ACADEMY
最後に、バンドとしての今後の目標、こんなバンドになっていきたいというヴィジョンを教えてください。
Ko-ta
目標は沢山ありすぎて書ききれません。強いていうならば全人類を愛したいです。
Interview by Masatoshi Arano
Bleuからの提供楽曲「It Isn't You It's Me」は99RadioServiceのオフィシャルサイトで期間限定[5/16〜5/29(火)18:00]公開中
<Blue Japan Tour 2012>※99RadioService出演公演
●5月21日(月)東京・渋谷 O-nest
共演: タニザワトモフミ, (O.A)hello!
OPEN 19:00/START 19:30
●5月22日(火)神奈川・横浜 GALAXY ※ゲスト出演
<strange pop!!! vol.1>
Supported by GALAXY & ACROSS THE POP RECORDS
共演: and more...
OPEN 19:00/START 19:30
●5月23日(水)愛知・名古屋 Party'z
共演: and more...
OPEN: 18:30/START 19:00
●5月24日(木)大阪・心斎橋 digmeout ART&DINER
<BLEU Japan Tour 2012 "TONE FLAKES Vol37 ">
共演: your gold, my pink(Acoustic) ※Acousticでの出演となります。
OPEN: 18:30/START 19:00
http://www.bleufourbesides.com/
(総合問い合わせ)THISTIME(info@thistimerecords.com)
バップ (2011-11-30)
売り上げランキング: 16626
バップ (2011-09-09)
売り上げランキング: 121848
1
May 20, 2012