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Ben Kweller

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【ライブレポート】Ben Kweller at 下北沢GARDEN 2012.02.25

「Ben Kweller Japan Tour 2012」


パワーポップ・アカデミー突撃来日ライブレポート!!
今回はニューアルバム『Go Fly a Kite』をドロップしたばかりのハミガキ王子ことBen Kweller!!なんと奇跡のバンドセットでの来日をレポートします!


 雨上がりの土曜日、本日のベニューは下北沢GARDEN。中に入るとフロアはすでに8割ほど埋まっている。GARDENはリニューアル後はじめて入ったのだが、横長ステージだったのが縦長でとても良い作りになった。ステージでは今回のサポートアクト、噂のQUATTROの熱い演奏が始まっていた。初めてライブを見たのだが、とても紳士的で素敵な音。演奏自体はどちらかと言えばエモロックあがり?と思わせるような激しく荒っぽい力のある感じなのだが、どの曲も不思議な清涼感がある。やはりボーカルと曲が秀逸なのだ。フロアのあちこちにノリノリのお客さんがいるし、すでに十分温まっている様子。QUATTRO、好きです。


 今回はアカデミーとして参戦させて頂いたのだが、レポートを書かなければならないのを忘れるほど会場が幸せな雰囲気に包まれており、一杯目のビールはQUATTROを見終わる前にすでに空っぽになっていた。素晴らしい演奏を聴かせてくれたQUATTROとBenを愛してやまないお客さんの相乗効果でますます期待は高まった。Benはやっぱりコンスタントに来日をしていることもありベースができているなぁと感じる。すでに会場は満杯状態。「Benは何歳だったっけ?」とか、「Lizzyって曲は奥さんの為に書いた曲なんだよ」なんてここでしか出来ない様な会話が会場の端々で囁かれていた。QUATTRO終了後、20分はゆうに経っただろうか、BGMが1曲終わる度にステージに目が釘付けになり、次の曲が始まってがっかりなんて事を何度か繰り返した後、遂に我らがハミガキ王子が登場した!!


 「TOKIO~O~!!」とステージに現れた王子、ニューアルバムの1曲目「Mean To ME」でスタート!あの何とも言えないバンドサウンドが流れ出す。王子は3rdアルバムのジャケット写真よりもう少し髪の毛が伸びた感じで、紺色のラグランTを着ており70年代テイスト(顔以外)。赤いSGをかき鳴らし歌う歌う歌う。バンドメンバーは実はよく知らない(ごめんなさい)けど、マスタングベースにレスポールという編成。「You don't...」とブレイク時のコーラスがバッチリ決まっていて気持ちいい!2曲目は2ndアルバム『On My Way』あの印象的なギターリフから始まる「I Need You Back」。お客さんも「Hey!」で大合唱。間髪入れず同じく2ndから「The Rules」。Ben Kwellerはもっとゆったり歌う印象があったけれど、Crazy Horse譲りの荒々しい雰囲気をちゃんと出していて王子もシャウトしているではないか。王子のギターはちょっとペナペナしていて、荒っぽく演奏してもやっぱり王子らしい雰囲気になる。ここでバンドは少しシフトチェンジし、3rdアルバムから「I Don't Know Why」。歌い方もちょっとのんびりになった。ああ、いいなぁこの声。ここで僕はたまらずフロアの前の方に突撃!「NYについての曲だよ」といって2ndアルバムから「My Apartment」。このリフもいいよなぁ。なんか王子がベッドルームで爪弾いてる姿が想像出来てしまうのだ。聴きながら改めてBuffalo Springfieldみたいな雰囲気だなぁと思ってしまった。


 5曲を一気に演奏した後、王子はピアノの前へ。待ちに待ったピアノタイム!sha shaから「falling」。わー、いい声だ。これだこれだ。ちょっと鼻にかかった独特の王子ボイスにピアノの綺麗な旋律がバッチリハマる。もちろん「パパパ、パ、パ、パー」と大合唱。そしてニューアルバムから「Gossip」。こちらはBadly Drawn Boyみたいな独特の曲調だけれど、王子の声にはピッタリだとつくづく思う。ここでバンドメンバーは一旦引っ込み、一人で「Thrteen」を弾き語り。ブルースハープとマイクを器用に操りながらしっとりと。NY感もあるなぁ。続いてピアノをアコギに持ち替え、2ndアルバムのタイトル曲「On My Way」。この人、アコギもいいなぁ。そして1stアルバムから「lizzy」。ちゃんと聴きたい曲をやってくれるなぁと感動。曲が終わると大きな拍手が。王子は「アリガトウゴザイマース」と笑顔で応える。「ニューアルバムからの・・・曲をやる前に、一つ前のアルバムから急い1曲でやるよ。」と恥ずかしそうに「fight」を弾き始める。個人的にはこのアルバムがかなり好きなのだ。何というかカントリー・アルバムなんだけど、若さからなのか王子のセンスなのか、インディポップなメロディなんかが時折顔を覗かせてて、ちょっと歪んでるのがサイコーに好きなのです。どうしても演奏したかったんだろうなぁ、王子。その気持にオーディエンスは手拍子で応える。途中でバンドメンバーが再登場し分厚いコーラスを重ねる。
ここで聞き取れなかったけれどバンドメンバーを紹介し、再びバンドセットでニューアルバムから「Out the Door」。再び火がついたオーディエンスに応えるかのように、sha shaから「walk on me」。リードギターの方がピアノを担当し、前半のバンドセットよりカラフルになった印象。王子、「Yes、Yes、Yes、Yes!」とご満悦につぶやき、ニューアルバムから「Full Circle」。

 ここで少し休憩。しばしギターのチューニング。あんまりお客さんが静かになったので「静かだね・・・」みたいにつぶやく王子に、「Love You!Ben!」とお客さん。すかさず「Love you too!」と返す優しい王子。チューニングがなかなか決まらず苦労しながら「古いギターだから・・・でもこの音が好きなんだよね。」なんてギター愛をチラリ。そして突然「Run!」と叫び、3rdアルバムから「run」を演奏。惜しむらくは若干ギターのチューニングが不十分だったか。それでも自然に歌いあげる王子の声にやっぱりキュンとさせられてしまう。ここで再び入念にチューニング。「昨日、渋谷に行ったんだ。東急ハンズやマルイ行ったんだけど、何にも買わなかったよ。だって高いんだもん。」とお客さんを笑わせながらチューニングを終え、おもむろに名曲「soundress」を弾き始める。やっぱりこれだなぁ。この歌いあげ感がサイコーに気持ちがいい。そして再びチューニングした後、ニューアルバムで一番ポップでキラーな「Jealous Girl」!場内の待ってましたな大合唱に、やっぱりBen Kwellerはパワーポップだと確信した。そして本編最後の曲、3rdアルバムから「Penny on the Train Track」。オーディエンスも最高潮の盛り上がりを見せ大合唱。曲中でギターのチューニングが狂ってしまい、残念な部分はあったがそれでも動じず、「Thank You!TOKYO!」と叫び、大歓声の中本編終了。

 もちろんお客さんも黙っちゃいない。本編終了からほとんど途切れずアンコールの催促!すぐに戻ってきた王子は「昨日、新宿のタワーレコードでインストアをやった時にリクエストされた曲をやるよ。」といってアンコール一発目は「Red eye」。長大なブルースナンバーを熱く演奏。照明も真っ赤にしてあって、すごくいい雰囲気。いつの間にか白いSGへチェンジしていたと思ったけれど、もしかしたら照明が赤かったから?。Benのギターソロはすっごくミニマムでそれでも熱い感じは十分伝わってきてすごくよかった。お客さんから「Japan love you ben」と言われると、「僕も日本が大好きだよ。ウメボシ?ウメボシ。ナットー。」と笑いを誘う。「さっき気がついたんだけど、日本に初めて来てから10周年なんだよね。」10年前は20歳だぞ!?輝かしいキャリア。そして最後の曲「Wasted and Ready」。お客さんも大興奮の中、素晴らしいパワーポップナンバーで東京公演を締めくくったのだった。



 ライブが終わってひとつ気がついた事がある。王子は歌っている時ほとんど目をつぶっているように見えた。時折ギターから手を話して拳を振り上げたり、両手で羽ばたいて見せたり、何というか心を込めて歌っているように感じた。早熟のハミガキ王子は、長く素晴らしいキャリアを持ちながらなおまだ若い。そしてその若さと表現の豊かさ、ルーツを一つ一つ自然に表現してきたそのソングライティングが相まって、温かいステージを作り上げていた。目をつぶって彼がイメージしている世界が音になって溢れ出す、そんなライブだったと思う。我らがハミガキ王子、Ben Kwellerの今後の活動から目が離せない!!(ワタナベオサム)

セットリスト
MEAN TO ME/Go fly a kite
I Need You Back/On my way
The Rules/On my way
I Don't Know Why/Ben Kweller
My Apartment/On My Way
falling/sha sha
Gossip/Go fly a kite
Thirteen/Ben Kweller
On My Way/On My Way
lizzy/sha sha
fight/Changing Horses
Out the Door/Go fly a kite
walk on me/sha sha
Full Circle/Go fly a kite
run/Ben Kweller
soundress/Ben Kweller
Jealous Girl/Go fly a kite
Penny on the Tra! in Track/Ben Kweller
_____________________________________
Red Eye/Ben Kweller
Wasted and Ready/sha sha



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Mar 27, 2012

 

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