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The Wellingtons

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このキャッチーさはずっと変わらない!3度目の来日公演も大盛況で幕を閉じたThe Wellingtonsインタビュー

The Wellingtons "In Transit" Tour 2011

WeezerやFountains of Wayneらの後継者と言われたバンドが次々に終止符を打つ中、The Wellingtonsは音源制作、ワールドツアーと休みことなく活動してきた。英国、米国というメインのシーンにいるわけでもないにもかかわらず。そして今年、FarrahのAndrewをメインエンジニアに迎え、かなりの時間を費やして完成させたバンド最高傑作『In Transit』をリリース。このアルバムのリードトラックである「Keep Me Holding On」を聴いた瞬間、Zac Anthonyのポップ・ソングへのあくなき探究心は留まるところを知らない、そう確信できた。


大盛況の新代田FEVER公演からスタートしたジャパンツアー。
こちらも興奮冷めやらぬ状態で翌日にインタビューを行った。

POWERPOP ACADEMY
おはようございます。
今日はZacとKateにお話を伺います。
まずは古典的な質問を一つ(笑)。一番最初に買ったロックのレコード、いくつで買ったのを教えてください。


Zac
僕が最初に買ったCDはもちろんBON JOVIだよ!12歳のときだったかな。


Kate
わかんないなー(笑)私は8歳のときにGIRL FRIENDというスパイスガールズみたいなオーストラリアのグループのCDを買ったのが最初。


POWERPOP ACADEMY
昨日のライブ、素晴らしかったですね。
長めのセットでたっぷり聴けました。もう4作目ということもあってセットリストを決めるファン投票などもやっていましたよね。曲も多く聴けて内容も古い曲から新しい曲までバンドからアコースティックセットまでとすごく楽しくハッピーなロックショーだったと思います。
演奏しているバンド側として本国オーストラリアやヨーロッパと比べて日本のライブは何か大きな違いとかありますか?


Zac
古い曲はあまり本国オーストラリアでは演奏しなくて、まぁやっても1、2曲くらいかな。でも昨日はかなり演奏してたんだ。
日本だとやっぱりまんべんなく楽しんでもらえるし、どのアルバムからの曲か、というのも知っている人達が多いからそういうことをやるのは本当に楽しいよ。


POWERPOP ACADEMY
それは日本と他の国とオーディエンスの反応も違うからそういうセットで昨日はやってくれたのか、それとも何かこう昨日はサービス的なショーだったのでしょうか?


Zac
やっぱりその国のオーディエンスによってセットリストはもちろん変えてるよ。日本だとよく言われているようにみんな礼儀正しく静かに聴いてくれるから、昨日のようにアコースティックのセットをやろうと考えたんだ。ただこれが日本だとみんな静かに聴いていてくれるけど、スペインや本国だとみんな酔っ払ってずっとしゃべり続けているからそういう曲はやりたくなくなるよね苦笑。


POWERPOP ACADEMY
日本に何度か来日されていて、これまで日本のパワーポップバンドと過去に共演されたと思いますが、昨日も含めて日本のバンドをじかに見て何か思うことはありますか?

Kate
私はもらったCDを全部聴いていて、いつでも共演のバンドやファンから音源をもらうのは本当に嬉しい!!その中でもお気に入りは前回のツアーを2つ一緒に回ったtotosや共演したHolidays of Seventeen!。昨日のSCOTT GOES FORはめちゃくちゃ良かった。日本のバンドはオーストラリアでは見ることがないので、自分で探さないとなかなかそういう機会がなくて。だから日本に来て新しいバンドを発掘するのはすごく楽しい!。やっぱパワーポップのバンドが大好き!


Zac
僕はメルボルンでBEAT CRUSADERSを見たことがある。あとはお気に入りはafterpilotというバンド。今回も一緒にやりたかったなぁ。あとはSKYBEAVERも見てみたいバンドだよ。あのヘヴィメタのファッションをね(笑)日本のミュージシャンシップは素晴らしいと思うし、サウンドのクオリティーもとても高いので彼らの前座の後に演奏するのは気が引けるくらいだよ。ベスト以上の状態をいつも出さないといけないと思っているよ。



POWERPOP ACADEMY
You Am I、Michael CarpenterやThe Pyramidiacs、FinkersやPopboomerangのようなレーベルなどオーストラリア・パワーポップの礎を築いたバンドがいますよね?。ただネットが発達したとはいえなかなか現在のオーストラリア、さらにはメルボルンやシドニーといった都市部のパワーポップシーンについても伝わってこないのですが、The Wellingtonsが活動している音楽シーンはどんな状況なのか教えていただけますか?


Zac
僕の大好きなそういうバンドやレーベルは別にして、メルボルンの人気のある音楽はみんなクソだよ(笑)。正直、メルボルンの中でいいと思えるようなバンドは4、5バンドしかない。僕らのことを分かってもらえるのもそういうバンドくらいだから結局彼らとしかやらなくなっていくんだ。でも、そういうどうしようもないバンドとやらなければならないこともたまにあるよ。どこの国でも、どこのシーンでも同じことなのかもしれないけどね。


Kate
ほんとどこでも一緒(笑)
あ、忘れてた!The CoincidentsというバンドはZacや今回ギターとしてKojiの代役できているDannaがやっているんだけど、数少ない大好きなバンドの一つよ。

POWERPOP ACADEMY
そんな状況の中、素晴らしい4枚目のアルバムを聴かせてもらいましたが、今回はFarrahのAndrew Campbellによばれて全編イギリスでレコーディングしたそうですね。聞かれ飽きているかもしれませんが、もう一度その経緯について教えてください。


kate
イギリスでFarrahと一緒にライブをやって本当に良いパワーポップ・バンドだな~って思っていたし、Andrewが彼のレーベルであるLojinxから前作『Heading North For The Winter』をリリースしてくれたの。その経緯で今回のレコーディングもタダでやってくれたの。ミキシングとか以外のカバーは全部してもらえて。ロンドンで2ヶ月間。2ヶ月間びっちりレコーディングしたわけではなくて週に何回かやって、その間にもヨーロッパ中をライブをしてまわってって感じで凄い充実した時間だった。


POWERPOP ACADEMY
そういう形でレコーディングをやられるのは本国以外では初めてですよね?たぶん今までの3枚のアルバムとレコーディングの手法がいろいろと違ったと思うんですが、彼と一緒にやったことによって新たに取り入れたことや刺激になったことは何ですか。また逆にThe Wellijngtonsとして今までやってきたスタイルで結局「ここは変わらないよね」というような普遍的なものはありましたか?


Zac
今回は曲の構成にかなり時間を費やして、みんなのいろんなコラボレーションにも時間を費やした。いつものレコーディングだと10曲なら10曲のみのレコーディングだけど、今回は40曲というたくさんの曲を作って、その中から選ぶという感じだったんだよ。これは本当に新しいチャレンジだったね。いつも鍵になるものは一緒で自分たちをいつもベスト以上の力を出せるように、何よりもよりいい状態でレコーディングできるように心がけているよ。僕らの目指すサウンドは決まっているしね。最高の<パワーポップ>をやるというね。


POWERPOP ACADEMY
先ほどもおっしゃっていたように40曲というたくさんの曲を録られていますが、最終的に13曲に絞っています。どういう基準で選ばれたのですか?


Kate
もちろんバンド内部での選定が一番。その他にも友達とかソングライターとか、プロデューサーとか、後はバンドをやっている友人に聴いてもらって各自ベストの曲を選んでもらった。本作はコンセプトというより純粋にみんなが好きな曲でやってみたかった。その中には、JellyfishのAndyやロジャー、Farrahのメンバー、BLEU、あのJonas Brothersをプロデュースした人なんてのもいた。あとは私たちのアイドルThe MuffsのKimみたいに自分たちが尊敬する人達に聴いてもらって投票してもらったの。

Zac
最終的には民主制で投票して決めたけどね。
もちろん僕らの日本のホームTHISTIME RECORDSのFUJIもその一員。でも彼の好みは酷いからどれも選ばなかったけどね(一同笑)。


POWERPOP ACADEMY
「今だから言うけど、選ばれなかった曲であれは入れたかった」というような曲はあったのですか?
昨晩特典として配られたアルバム『In Transit:Outtakes and Demos』はアウトテイクとは思えないほど素晴らしかったです。とりわけ「Down Down Down ( back home)」や「Breaking Your Heart」などアコースティックの曲に感動しました。

Zac
それは良かった!!僕も好きだよ(笑)
もちろん個人的には「入れたかった・・・」っていう曲はそれぞれみんな持っていたんだ。それはメンバー全員、そして投票してくれた人みんなね。でもここでは喧嘩になるから言わないよ(笑)だからみんなの意見をあわせるのは思った以上に大変だったし、僕がすべて決めるのとはワケが違ったよ。こういう決め方が正解かどうかはわからないけれど、僕はこれをやったことでソングライターとして視野が広がった気もするな。


POWERPOP ACADEMY
ここからは個人的な印象だったりするのですが、昔のロックバンドとかポップバンドは作品を出していく度に初期のイメージと変わってくることがあるんじゃないかという印象がありますが、特に3枚目や4枚目の作品になってくると初期のポップさとはまた違って、ちょっと実験的な作品を出したり、例えばThe Whoとかそうだと思うんですけど、でもThe Wellingtonsはもともとある心が躍るようなポップさというか甘さというか美しさを全く損なわないで、かつ<すごくいい意味で>変わってにないと思います。そこはバンドとして意識しているのか、それとも自然に出てくるものなのか気になったので教えてください。


Zac
サウンドに関してはご存知の通り、もともとのキャッチーさを変えようとは思ってはないし、劇的に実験的なことをやるつもりはないよ。僕らはパワーポップが好きで、そしてこのスタイルが好きなんだ。だからファンが飽きないといいなと思うけどね(笑)。でも結局僕らは日常のことや切ないこと楽しいこと、そういう感情について歌っているんだ。本作もタイトルにもあるとおり、これは後から気付いたんだけどツアーにまつわることとか、旅にまつわること、友達(前キーボードのAmyのこと)が他の国に行ってしまったりしたことなんかがテーマなんだ。要はすべてが密着してこの音になっているってことなのかもね。


POWERPOP ACADEMY
ファンが飽きていないのは昨日のショウを見ればわかってもらえると思います。
これからもいい意味で不器用というか、直球勝負してもらえるんですね♪
自分の中で小さい頃からずっと聴いているような普遍なポップソングとかあったら教えてください。


Kate
ZacはCheap Trickの「I Want You to Want Me」とBeach Boysの「gotta we knows」、Fountains Of Wayneの「Leave the Biker」、Phantom Planetの「Always On My Mind」、Weezerの1枚目と2枚目は全部だよね?私はこういう質問が苦手。だって好きな曲はいっぱいありすぎるし思いつかないんだもん。あ、Sloanの「Losing California」とかThe Posiesの「Solar Sister」も!!


POWERPOP ACADEMY
この質問は僕が友達との間で酔っ払うといつもこういう話しになるんですが、もし世界がジョン派とポール派の二つの国しかなかった場合、ご自身はどちらの国の住人だと思いますか?


Zac
僕はジョージ(笑)。で、僕以外ポール派です。
でも難しい質問だね。


POWERPOP ACADEMY
自分自身が古い70年代後半から80年代半ば、それ以降もパンクやパワーポップがすごく好きなんですが、ご自身が10代だった頃に本国のバンドで影響をうけたバンドがあれば教えてください


Zac
僕はさっきい話にも出たYou Am Iがヒーローさ。あとはJebediahが好きだった。KateはCustardというバンドが好きだった。CustardとRatcatという大好きだったバンドについては、僕らのセカンドアルバムに入っている「Top 10 List」という曲の中で歌っているよ。


POWERPOP ACADEMY
全然関係ないのですが、僕が一番初めに見た洋楽のアーティストのコンサートがビックスプリングフィールドだったのですが、オーストラリアでは有名だと思います。日本では人気があったロックの人だったのですが、あまり影響力がなかったのかと。個人的な質問なんですが。


Zac
オーストラリア生まれで後はアメリカで活躍しているよね。今は多分アメリカにいるよね、本国ではあまり見ないよ。でも“ジェイシーズガール”という曲がヒットしたよね。


POWERPOP ACADEMY
このインタビューはパワーポップ・アカデミーというポップミュージック、パワーポップのいいものをとりあげているメディアなんですが、実は初来日公演のときにあなたが話してくれたことがヒントになってスタートしたんですよ。逆にパワーポップがあなたたちがバンドをやっていく上でどんなことを教えてくれましたか?


Zac
いつだって人生をエンジョイしろよってことを教えてくれたよ(笑)。
パワーポップのコミュニティーはほんとにフレンドリーで新しい友達をそこで見つけたりということを学んだよ。


POWERPOP ACADEMY
明日はもう一回東京でライブがあるんですよね。それはまさにパワーポップ・アカデミーの講師として出演するわけですが、見に来てくれるロックファンにどんなことを教えてくれるのですか?


Zac
何よりそこにいるみんなに「どうロックすべきか」ってことを教えたいよ。とにかく大きな声で歌って楽しんで欲しいな。教授といってもらえてとても光栄だよ。で、卒業証書はもらえるのかな(笑)。


POWERPOP ACADEMY
では最後に日本のファンに向けて皆さんから一言ください。

Zac
僕とKate以外は初来日なんだ。Annaはファンと交流したりサインしたりするのがすごく楽しいって。僕らはツアーするのが本当に大好きで、でも一回本国に戻って早くアルバムを作ってまたツアーに出たい。それはやっぱりファンのおかげだよね。
ファンのみんなが僕らのことを広げてくれたり、ショーに来てくれたり、CDを買ってくれたり、ライブのみんなのエネルギーでまた新しいアルバムを作ろうとかもっといいものを作ろうという活力になるよ。ほんとに感謝しているよ。いつか武道館でライブをやりたいな(笑)。


POWERPOP ACADEMY
今日は貴重なお時間ありがとうございました。
残りのツアー、そして今後の活躍をワクワクしながら応援しています。



<トラックリスト>
1 Keep Me Holding On
2 I ’m Feeling the Same Way
3 Adamant
4 Your Love Keeps Bringing Me Down
5 Baby’s Got a Secret
6 I Just Wanna Love You Girl
7 I Fell For You
8 I Hope You’re Happy Now
9 Alright Alright
10 No One Ever Calls Me Baby
11 Be My Guest
12 Your One
13 Back to You



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Oct 18, 2011

 

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