Common Shiner “Before They Sold Out: Part 2”
2013 SELF
2002年にミシガン州・グランドラピッズで結成され、現在はシカゴを拠点に活動している4人組。タイトルにPart 2とあるのは、2011年に「Before They Sold Out: Part 1」を出しているから。2枚のアルバムは兄弟みたいな関係で、Part1はアコースティック、Part2はフルのバンドサウンドです。
Indianapolis Jones “Indianapolis Jones”
2014 Hydrated Kitty Records
マジカルなサイケ・パワーポップを鳴らす、ジェリーフィッシュマンの底力!
今や伝説として後進のアーティストにも大いなる影響を与え続けているポップバンド、Jellyfish。
唯一行われた来日公演で、スタンディングドラムでシャウトするAndy Sturmerや、キーボードに、時にギターに活躍するRoger Joseph Manning, Jr.というオリジナルメンバーに並んで、マッシュルームヘアを揺らせてベースにコーラスに活躍していたメンバーの事を覚えているだろうか?
The High Learys Fashion “HERE COME THE HIGH LEARYS”
2013 Soundflat Records
オーストラリアのmodでhipな4人衆のデビュー盤は、アナログのみのリリースという心意気。その男気に乾杯!
前のめりに畳み掛ける荒削りなブリティッシュ/ガレージ/R&Bのビート。グルーヴィーなキーボードが、より”mod”テイストを感じさせる。
Brian Ray "This Way Up”
2010 (Whooray)
一連の来日公演騒ぎでのポール御大の事を考えると心が痛む、先日の来日時は71歳であんな素晴らしいライブを出来る事に感動したばかりなのに…。
ポールのライブが秀逸なのはもちろん彼自身の才能なのだけれど、そのバックバンドの素晴らしさもあると思う。近年のポールマッカートニーバンドははっきり言って歴代最強の布陣なのである。
Smash Fashion “Big Cat Love”
2014 (Electro Pudding)
自らを”DANDY ROCK”と称する、LAを拠点に活動するナイス・ミドルな4人衆SMASH Fashion、キャリア通算3枚目となるフル・アルバム。
ドライヴィンでグラマラス(&ダンディー)なサウンドにポップ(&ダンディー)なメロディー…そう!CHEAP TRICK、Enuff Z'nuff直系のハードなパワー・ポップだ!
VA “Sweet Relief 3: Love Is Everywhere”
2013 (JAM RECORDS)
LOLASやThe Red Buttonなどの作品を手がけたJAM Recordsよりリリースされた「Sweet Relief」シリーズの第三弾。ShoesやThe Recordsといった大御所から、LOLAS・Daniel Wylieなどの実力派、Cirroneのような注目の若手まで、文字通り古今東西のアーティストが参加している。日本からはThe Mayflowersが前回に引き続き参加した。錚々たる面子の中にあっても確かな存在感を放っていて、同じ日本人として誇らしい気持ちになる。
The Offbeat “The Offbeat”
2008 (SELF)
シンガー・ソングライターのトニー・コックスを中心とした3人組バンドのデビュー作。ブリット・ポップ・ムーヴメントで活躍したDodgyのヴォーカリスト、ナイジェル・クラークがヴォーカルを務めている。ナイジェル・クラークはそこそこ有名なアーティストなので、このバンドももっと知名度があってもおかしくはないと思うけど、一般的には今ひとつ知られていないのが残念だ。
Dylan Sires and Neighbors “Someone”, “No One”
2013 (SELF) ¥1,404
3 piece POWER POP KINGS out of the HEARTLAND!
アメリカ中西部アイオワの3人組Dylan Sires and Neighbors。
Dylanいわく”THE BEATLESとBIG STAR、50’s〜60’sから多大な影響を受けた”そう。
これはこれは!と、パワーポップの純粋培養的なバックグラウンドに大いにそそられながら聴き進めていくと…これが大当たり!
I Think Otherwise “イノセンス”
2014 (STRAWBERRY FIELDS)
まずは何も言わずに「プロペラ」を聴いてみて!
この音の質感、コード進行(1-6-4)、そこはかとなく感じる90’sオルタナ/UKインディー/シューゲイザーの香り。ここに違和感なく乗るキャッチーなメロディーと日本語詞の見事さよ!
あぁ…出会ってしまった立ち会ってしまったよ歴史的瞬間に。
EXTENSION58 “NOW AND THEN”
2014 (POPWORK)
恋の呪文は、いつだってロックンロール!
その魔法を信じ続ける者こそ、今年結成20周年を迎えたクールでホットな4人組、EXTENSION58。
新潟パワーポップ・シーンを引っ張り続ける彼らの、実に9年ぶりとなる4thアルバム。
ポップで甘いメロディーとブリティッシュビート感溢れるサウンドは、まさにロックの教科書。
冒頭を飾る「Sometimes」、playボタンを押した直後のAのストローク1発で背筋ゾクゾク気持ちワクワク。
The Mayflowers "Ship of Theseus”
2013 (ROOSTER)
メロディ+ハーモニー+ロックンロール=???
この公式、正解はここにあります!
日本国内のみならず、世界中のパワーポップ・ファンやミュージシャン待望7枚目のアルバムは、作曲・作詞・演奏・録音・編集を里山氏1人で完結したという(アルバム・タイトルからも想起させますね)、まさにポップ職人の技とこだわりと音楽への愛情とリスペクトの結晶!ブリティッシュロックのスピリッツを継承した21世紀型パワーポップ!
The Maureens “The Maureens”
2013 (SELF) POWERPOP of the month
あぁ…素敵じゃないか!!
西海岸的グッドなメロディー&ハーモニー&ヴァイヴレーションに5次元の霧がかかったソフトなサイケ味をふりかけて仕上げはBIG STARときちゃったらもう、できた料理はパワポマニアが泣いて喜ぶ、ときめき満載ポップネス!
Temples - “Sun Structures”
2014 (Heavenly Recordings / Hostess)
'60sUK/USサイケポップを現代に蘇らせた、新鋭実力派が放つ一作♪
~が大絶賛!、~のお墨付き!っていうお決まりのキャッチコピーによってデビューするアーティストは過去にもたくさん存在していたが、そのほとんどは絶賛していたアーティストを超えることはなく、しかも短命に終わってしまうことが多かったのだが、この新鋭バンドにはそのジンクスをぶち破る可能性を秘めた大いなる才能を感じる!
The Applepie “Love Is Not Loving, But Farewell Is Always Parting”
2013 (SELF)
千葉の若きポップロック・バンド、The ApplepieがName your price(投げ銭)スタイルで発表したアルバム『Love Is Not Loving, But Farewell Is Always Parting』 。20代前半ながら呆れるほど60年代への愛情を溢れさす期待のバンド。発表からもうすぐ1年、だいぶ紹介するのが遅くなってしまいましたが、60年代リバイバルを感じさせるインディー・バンドが元気なのでそれに乗じて。
Baby Scream “Greatest Failures”
2013 (SELF)
アルゼンチン・ブエノスアイレス在住、Juan Pablo Mazzolaのプロジェクト/バンド、Baby Screamが最新作『Great Failures』をリリース。コンスタントに作品を発表し続けており、すでにアルバムは8枚目。本作はそのキャリアをまとめたベスト・アルバム。
The Sugarettes “Destroyers of Worlds”
2012(Subroutine)
オランダのローファイ・オルタナ女子バンドThe Sugarettes5年振りの新作!前作『Love & Other Perversities』で好評だったローファイ~オルタナ~グランジのカオティックなサウンドも継承しつつ、2010年代のトロピカルなインディ・ポップなんかも取り入れちゃったり。だけど相変わらずノイジーなメロディーラインが脳天突き抜けるんだ。
Secret Someones “Secret Someones”
2013 (SELF)
HaimやChvrches、Hey Anna、Nova & the Experience…などなどなど。女性Voをフィーチャーしたバンドが目覚ましい活躍を見せたのが2013年だったが、それを締めくくるかのように昨年11月にリリースされた本作。女性トリプル・ヴォーカルのゴージャスさとキュートさ、それに女性の力強さを濃縮した収録曲は、一連の女性ポップ/ロックグループ台頭の一つの到達点と言って良いほどのエネルギーに満ちあふれている。
Paws “Cokefloat!”
2013 (FAT CAT)
グラスゴーを飛び出してFat Catと契約したPawsの記念すべきデビュー・アルバム。前身バンドA Copenhagen Hope解散後にスタートしたのがPawsで、記念すべきファースト・ライブはDum Dum Girlsの前座だったという。しかも即完売だったそのライブ以降、彼らの噂は巷を駆け巡りトントン拍子でデビューまでたどり着いたというわけだ。
gold sounds “a tiny parade”
2014 (SELF) POWERPOP of the month
アカデミー調べ「2014年最も期待するパワーポップバンド」のgold soundsがミニ・アルバム「a tiny parade」を発売する。the pillowsの山中さわおバックアップのもとに制作、口コミのみでロングランを続けた前作『Working Holiday』に続く満を持しての新作というわけだ。グランジ〜オルタナをギターロックに昇華して武道館まで上り詰めた山中がこの無名の新人を打算なく応援しているということ、そしてPavementの名曲「gold soundz」からその名を冠していること。この2つだけで、このバンドを5割増しで贔屓してしまう。
PAWL “Modified Dreams”
PAWL Music LLC(2013)
PAWL(Paul)は米フェイックス/シカゴで活動するアレンジャーとしての顔も持つ若手シンガー・ソング・ライター。作品ごとに多くのミュージシャンとコラボレートしていくスタイルで制作された本作では、全編にわたり彼がメイン楽器とするピアノをフィーチャーした作曲スタイルで制作されている。
The Orion Experience "Children of the Stars"
2013 (SELF)
衝撃の日本語詞曲「NIPPON GA DAI SUKI(日本が大好き)」でセンセーショナルな日本デビューを果たしたThe Orion Experienceによる最新作『Children of the Stars』。エレクトロ・ポップに傾倒したOrionが「世界から追われているS.T.A.R Childrenと呼ばれる新人類。彼らがその追っ手をかわし結束していく愛と感動の物語」というテーマを元に作ったコンセプト・アルバムとのこと。なんのことだ?
Size 14 “Size 14”
1997 (VOLCANO)
かつてLinus of HollywoodことKevin Dotsonが在籍し、解散後にはカルト的なパワーポップバンドとして評価が高まったSize14デビューにして唯一の作品。底なしにポップでキャッチーなのに、どこか変で、何かひねくれている。メジャー・リリースだったこともあってか実際Kevinが影響を受けたというWeezerを始めNerf Herder、Summercamp、Ridel High(今思えば、めちゃくちゃ似てる)などと比較されていたが、彼らの魅力だけは全く大衆には伝わらなかった。ただ、一言では表現できないその音楽性とスタンスは後にLinusをプロデューサーに指名するBowling For Soupなど多くの熱狂的なファンを生んでいる。
Velvet Crush “Heavy Changes”
1997 (EPIC RECORD JAPAN)
ある日レコード屋で白地にオレンジの文字が書いてあるサンプラー・カセットテープを手に入れた。そいつは見た目も手触りもなんだかとてもしっくりきて、うちに帰る道中もずっと気になってそわそわしていた。家に着くとすぐに封を切って再生した。
ちょい歪んだギターの心地よいカッティング、素敵なメロディ。これは宝物かもしれないと思った。すぐに友達を呼び出して聴かせたあとこう言った。「こんなバンドがやりたい。バンド組もうよ。」そのテープにはポップなロゴでこう書いてあった。
Sonic Nights “Mirrors”
2012 (SELF)
TomとArthurのLohrmann兄弟によるパワーポップデュオ、Sonic NightsのEP『Mirrors』。彼らのことはずっとチェックしており、デビューEPは2012年中にリリースされThe Friday Night Boys、The Downtown Fictionなど旬なアーティストを手がけるプロデューサーSean Smallを迎えて華々しくシーンに躍り出るだろうと思っていたが、いつの間にか彼らのニュースを見る機会がなくなっていた。
Oscar Tango “Oscar Tango - Volume 2”
パワーポップ大国オーストラリア。もう何度このフレーズを繰り返しているだろう。最近のところではWellingtons、Solicitors、Sports Fan・・・。彼の地では日々グッドメロディが生みだされ続け、そのアメリカやヨーロッパとはまた違ったカラっとしたポップさは多くのパワーポップファンを魅了してやまない。
そして今日、また見つけてしまった・・・。ディス・イズ・パワーポップ、ディス・イズ・オーストラリアなバンドを。
Josh Rouse “1972”
2003 (RYKO)
甘〜いヴォイスとシュッとした顔の素敵シンガーソングライター、Josh Rouseの代表作。
このアルバムに出会った頃、僕はBrad Jonesに首ったけだった。拙い英語で長々とファンメールを書いたら返事が来て舞い上がったのを覚えている。レコード屋で、ふと手に取ったアルバムをひっくり返すとそこにBrad Jonesプロデュースと書いてあるではないか。即買いである。うちに帰る前に電車の中で開封すると、ライナーノーツは山口さん。高まる期待以上の中身。70年代の雰囲気を全面に押し出しつつも、時折モダンな感じになるのは彼の持つ独特の雰囲気なのか。Bradならではのセンスなのか。山口さんも書いているけれどこの手のシンガーソングライターはなよなよ系になりそうなものだが、サウンドは意外にも骨太。それがBrad仕事なのだろう。何年も前にJoshのライブを見る機会があったのだが、彼の声以外のサウンドはかなりしっかりしていて、声の甘さがより引き立つ良いアクトだった。惜しむらくはベースがBradではなかったこと…。
VA “Please Please Please : A Tribute To The Smith”
2011 (AMERICAN LAUNDROMAT)
僕が常々パワポファンの楽しみの一つだと思っているのが、トリビュートものである。僕の好きなパワーポッパーは大抵、彼ら自身もレコードオタクだったりしては年のロックバンドやメジャーアーティストのカバーも多い。有名曲のエッセンスとメロディを取り込み、よりエッジの効いたパワーポップへのアレンジというのが成功率が高いというのもパワーポッパーがトリビュート盤に参加しやすいファクターなのかもしれない。
Jamie Woolford "A Framed Life In Charming Light"
2013 (GET WELL)
The Stereo、Let GoのJamie Woolfordがソロ作品で満を持してシーンにカムバック!!
Jimmy Eat Worldを始めfun.ら輩出しロックバンドをビルボードに送り出す超優良インディーレーベル、Fueld By Ramen。レーベル初期にリリースされたThe Stereoの『Three Hundred』は、そんなfun.やFall Out Boy、The Academy isなどエモロックバンドに大きな影響を与えている。Animal Chinというスカ・パンクバンドをやっていたJamieとThe ImpossiblesのRory PhillipsによってThe Stereoは結成。RoryはWeezer好きな影響を少なからずバンドにアウトプットしていたが、The StereoはJamieが全開で同じ趣味を披露したバンドと言えなくもない。
Fastball "The Harsh Light of Day"
2000 (HOLLYWOOD)
その日、僕は友達と新百合ヶ丘のサビれた大手CDショップでブラブラしていた。渋谷とか新宿とかじゃないので全く買う気もなく、本当にただの暇つぶしだった。そろそろご飯でも食べに行こうかと思っていた時、そのキラーチューンが店内に響き渡ったのだった。ピアノのグリッサンドで始まる完璧なイントロ!そしてまさに王道メロディで歌い上げるコステロ似のパワフルボイス!一瞬で虜になった。ノリノリで聴いていたらあっという間に終わってしまった。なんだが知っているバンドのような気もするが、モヤモヤとしててわからない。すぐにでも買いたいけど…とモジモジ。ナードな僕はクラブでDJさんに聞くのだって出来ないのに。それに黄色いレコ屋でも赤いレコ屋でもないただのCDショップで…。と意味のないモジモジを感じ取ったお節介な洋楽に全く興味のない友達が「店員さんに聞いてあげようか?」と苦い一言をくれたのだった。僕のちっさなプライドは一瞬でズタズタになったが、「fastballってバンドの新譜らしいよ?まだ発売前だから予約できますってさ。」と判明。取り繕うかのように「…なるほど、Fastballかぁ!新譜出るんだぁ。」とさらにモジモジ。それでも結局、その場で予約したのだった。
Marshall Crenshaw "What's in The Bag?"
2003 (RAZOR & TIE)
孤高のシンカーソングライター、Marshall Crenshaw 2003年リリースの9thアルバムである。80年代からコンスタントに活動を続ける彼のアルバムはどれも素晴らしいが、ニュージャージーの老舗Stone Ponyで録音されたライブアルバムを挟んで発表されたこのアルバムは円熟のソングライティングがたっぷりと詰まっている。デビュー当時の勢いのあるパワーポップとオルタナカントリーの渋い雰囲気が同居するなんとも言えない味わいなのである。近年のシリアス系海外ドラマのエンディングで使われているような今時のアメリカンシンガーソングライターの先駆けのようにも感じる。