gold sounds “a tiny parade”
2014 (SELF) POWERPOP of the month
アカデミー調べ「2014年最も期待するパワーポップバンド」のgold soundsがミニ・アルバム「a tiny parade」を発売する。the pillowsの山中さわおバックアップのもとに制作、口コミのみでロングランを続けた前作『Working Holiday』に続く満を持しての新作というわけだ。グランジ〜オルタナをギターロックに昇華して武道館まで上り詰めた山中がこの無名の新人を打算なく応援しているということ、そしてPavementの名曲「gold soundz」からその名を冠していること。この2つだけで、このバンドを5割増しで贔屓してしまう。
ただ、そんな評価や喧騒を他所にヴォーカル・ギターの長谷川貴浩は、飄々といっさい寄り道せずに良いメロディー・良い曲を追求しているようだ。シンプルな曲構成と協力なサビという完璧なパワーポップ・マナーに則ったM-3「I don't wanna be your girl」はまさに一字千金ならぬ一曲千金。曲タイがRubinoosの<あの>曲へのオマージュなのかどうかはさておき、その曲に匹敵するほどのキラーチューンぶりに抗える人はいないはず。だって飛び切り良い曲だもの。紅一点、松田万里奈の謳う「2 young (to fall in love)」も、元々別のバンドでヴォーカルだったという彼女の魅力が炸裂。二人の透き通るような声が絡むところは鳥肌が立ってしまうほど。前作の「Thank You」で見せたスーパーカーの「Lucky」っぽい感じも好きだったけれど(笑)
世界を変えてしまうような音ではないが、the pillowsはもちろんルーツであろうPavementやWeezerといった90'sサウンドから本作で意識したというUS西海岸インディー・サーフロックまで彼らが受けてきた影響を、素直に混ぜあわせて作品にしている。全曲キャッチーなのに、各曲に違いを生み出せるところ、メンバー構成や、その愚直なまでに容赦無いポップ・ミュージック愛はどこかFarrahを思わせる。彼らのような立ち位置で広く皆に愛されるパワーポップ・バンドになってほしいと思った。
そういえばFarrahもRubinoosの<あの>曲カバーしていたよね。