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The Orion Experience "Children of the Stars"

2013 (SELF)

衝撃の日本語詞曲「NIPPON GA DAI SUKI(日本が大好き)」でセンセーショナルな日本デビューを果たしたThe Orion Experienceによる最新作『Children of the Stars』。エレクトロ・ポップに傾倒したOrionが「世界から追われているS.T.A.R Childrenと呼ばれる新人類。彼らがその追っ手をかわし結束していく愛と感動の物語」というテーマを元に作ったコンセプト・アルバムとのこと。なんのことだ?

悪趣味なジャケットと、スペーシーでとびきりファンキーなディスコ・パワーポップ。日本でも輸入盤、そして『NIPPON GA DAI SUKI』とEPを追加収録した日本盤デビュー作『Cosmic Candy』はスマッシュ・ヒット。人々の記憶に深く刻まれることとなった。
メンバーチェンジを繰り返した後にリリースしたEPは悪趣味なビジュアルが少しなりを潜め、タイトル曲「NYC Girl」は元々のファンキーさに都会的なクール感とをミックスしたパワーポップに舵を取った素晴らしい曲で「これが次回作の指針になるんだな」とすっかり安心して喜んでいた。

で、結論。やっぱり落ち着くような人じゃなかった。Mr.Orionは。
届けられたのは予想の壁をぶっちぎったまさかの「ミュージカル」というコンセプト。どうやらThe Orion Experienceはバンドですらなくなったようで、このアルバムも『Children of the Stars』というミュージカルのサウンド・トラックなのだそう。うーん、もうなんのこっちゃ。

このコンセプトを理解することは正直難しく、その上「これはピュア・エレクトロポップ」だなんて資料にあったのでイントロ〜M-2「Children of the Stars」の序盤を聴いただけで再生回数はしばらく1のままだったのですが、それに関しては大後悔。問題の「S.T.A.R Child」から「Electric Moves」としっかりThe Orion Experienceサウンドやってました。「Heart In My Pocket」売れそうです「Made 4 You」完璧です。「Dandy」最高です。コンセプト抜けば、大粒の良曲揃いのパワーポップの名盤じゃないの・・。新しい試みには拍手をしつつも、普通に聴きたいファンもいるってことを頭の片隅に置いて欲しいと思った瞬間だった。

5人目のABBA?Scissor Sistersの兄弟?B-52’sの子供?・・はたまた「80年代ディスコ映画」meets「バナナラマ」featuring「オリビア・ニュートン=ジョン」?世界感は理解していただけないまでも上記のキーワードでひっかかった方、先入観をそっと箱にしまって純粋に楽しんでいただくことをオススメします。


Children of the Stars
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