The Organ Beats “GOLDENHERAT”
2012(SELF) ¥1,470(taxin)
Andrew W.K.との来日公演も果たし、日本でもエモ/ハードロックファンへ強烈な印象を残したDAMONE。その紅一点ヴォーカリストだったNoelleの新プロジェクトThe Organ Beatsのセカンドアルバム「GOLDENHEART」はパワフルでキャッチーで、それでいてセンチメンタリズムも兼ね備えたメロディ、テクニカルでいてエモーショナルな演奏。一聴するとDAMONEサウンドを踏襲しているかのように思えるが、Noelleはこれまでに得たポジティヴな経験もネガティヴな経験も全て吸収し、以前より遥かに洗練された作品に仕上げてくれた。
先だってお伝えしたインタビューで彼女が語っていた通り、彼女はDAMONEで経験した華やかなメジャーシーンに疲れ、バーモントの森に引きこもり、その後兄弟であるDannyと近しい友人とで結成され、原点回帰とも言うべき小さなスタジオでのレコーディングからこのバンドをスタートさせた。
M-1「Don't Wake Me Up」、M-2「Living Without You」と立て続けにで爽快なエモ/パワーポップで幕を開けると、M-5「Make You My Own」では号泣モノの壮大で美しいバラード、ライヴでのシンガロング間違いなしなM-7「Get Up!」など彼らの魅力が十二分に詰め込まれている。さらに、アルバムタイトルにもなっているM-8「Goldenheart」。「Your golden heart lives on forever/Your golden heart will shine on」と歌われるこの曲は、2011年に若くして亡くなった元DAMONEのドラマーDustinへ捧げられたもの。DAMONE時代からの十八番であったハードロックサウンドが展開され、彼女の心の痛みがヒリヒリと伝わってくるようだ。
この記事を書いている2013年2月4日現在、アルバム・ツアーは残念ながら予定されていないそうだが、この素晴らしいアルバムを聴きながら、また彼女が日本で美しい歌声を披露してくれる日を心待ちにしていよう。
<トラックリスト>
01.Don't Wake Me Up
02. Living Without You
03. Heartless
04. Last Goodbye
05. Make You My Own
06. So Long
07. Get Up!
08. Goldenheart
09. Hold On
10. Don't You Ever Feel Like Dying?