CHRIS RICHARDS AND THE SUBTRACTIONS "Get Yer La La's Out"
2012(SELF) ¥1,470(taxin)
…誰にでも変身願望ってあるんじゃないかと思う。ましてや、ミュージシャンを目指すティーンエイジャーにとって、あこがれの成り変わりたいロックスターやロックバンドの一つや二つはいたはずだ。
そんなあこがれのロックスターに変身するためのなりきりアイテムは分かりやすければ分かりやすいほどいい。…モップヘア、帽子、モミアゲ、メガネなど快挙に暇がないが、とりわけ素顔が分からなくほどのハデなメイクは、なりきりアイテムとしては最高だ!
あのKISSのメンバーの特徴的なメイクは、現在のKISSでも受け継がれており、エースとピーターというオリジナルメンバーが抜けた後も、後任メンバーが彼らと同じメイクで活動していることからも明らかで、それだけ変身アイテムとしては相当なインパクトを持っていると思う。
…ここのところ、ベテラン・パワーポッパーの久々となる新譜が相次いでリリースされているが、充実した内容もさることながら、彼らのPVに共通するアイテムが登場したのである!
…それが、KISSのあのメイクなのだ!
Redd Krossの15年ぶりの復活作『Researching The Blues』の1stPV「Stay Away From Downtown」にKISS風メイクで登場する彼らは、いつも以上に自由にノビノビとしているように見えるし、彼らのKISSにも共通するバブルガムでグラムな音楽性をも見事に映し出している!
そして、偶然の一致か、HippodromeやPantookasで活躍してきたベテランパワーポッパーChris Richardsが、新たに結成したトリオバンド、Chris Richards and The Subtractionsによる『Sad Sounds of the Summer』以来約3年ぶりとなる新作『Get Yer La La's Out』での最新PV「It's Something」でKISSメイクに変身するメンバーの姿が見れるが、まるでティーンエイジャーに戻ったかのようにはしゃぐクリス以下メンバーの姿が何だか微笑ましいし、クリスの音楽的ルーツも垣間見れる仕上がりになっているのも面白い!
KISSにも共通する弾けるリズムにキャッチーなメロディ、そしてジャングリーなギターにビタースウィートなヴォーカル&カラフルなハーモニーが詰まった会心作に仕上がっている!
マシュー・スウィートにも似た巨漢クリスにはまるで似合っていないポールのメイクだが(笑)、鳴らされる音はKISSに憧れた少年時代と変わらず実に瑞々しい!
KISS〜Cheap Trick〜Elvis Costello〜Marshall Crenshaw〜Matthew Sweet〜Velvet Crush〜Redd Kross〜The Posies…などを彷彿させるクリスの充実作。多くのポップファンをティーンエイジャーに戻らせる快作だ! <Jun@The Hand Claps>
1. Don't Do Anything Tonight
2. It's Something
3. And Suddenly
4. They Won't Mind
5. Sleep All Day
6. I'm No Better Than You
7. Head Under Water
8. I'm No Saint
9. December
10. Uncertainly