SKETCHBOOK ADVANCE "My Advanced Generation"
2012(MELE) ¥1,500(taxin)
これは突き抜けた快作の誕生だ!!ファースト・デモCD『Young E.P.』で見せた<歌謡曲とTeenage Fanclubなどに代表される90年代米英ロックのあまりにも斬新な組み合わせ>がパワーポップ界でカルト的な人気を呼んだ大阪のSketchbook Advance。以来5年ぶりと、待ちに待たせたマイペースが届けてくれたのは正真正銘ピカピカの1stアルバム『My Advanced Generation』。
すでにベテランの域に達するバンド歴に反してバンドが本作でみせた初々しさと、清々しさはまるで80-90s生まれのメンバーが率いる新人バンドのよう。ただ、まるでGSバンドがごとく声でアイドル的立ち位置をキープするvoイチノセ、そこにギターポップの躍動感/パワーポップのコーラスワークを合わせて個性とする様には重ねたキャリアと意地が見てとれる。
全編にあふれるビートルズやモンキーズ〜日本のGSバンドが持つ華やかさは彼らの特徴としてもM-1、2の濃ゆいまでのキラキラ感やM-3のDinosaur Jr,やカレッジ・ロックばりの疾走ギターノイズなど見え隠れする洋楽コンプレックス偏差値はよほどのもの。曲名にある「Everything Flows Again」「Rocketship」など同性代へのアピールも忘れないところがしたたかだ。いや、したたかというよりはやっぱり捨てられない大切なこだわりなのかもしれない。TateFujiやMayflowersあたりとの共演も見てみたい。
Tracklisting:
01. Castaway
02. Everything Flows Again
03. I Saw the Starlight
04. Rocketship
05. Outrun
06. We Are All In the Rainbow
07. Gandhara 2012
08. Fantastic Planet
09. Coffee & Brite
10. Diorama
僕らの世代にとっては非常に懐かしくも新しい、初々しさと、清々しさと、グッドメロディの詰まった、
2012年的ギターポップの解釈とも言うのでしょうか。
―――新井仁(SCOTT GOES FOR、NORTHERN BRIGHT、RON RON CLOU、N.G.THREE、The AUTOMATICS)
Sketchbook Advanceのキラキラした音を聞いていると、学生時代の様々な記憶―――雨が止んだばかりの青空のなかをふたり自転車で駆け抜けた事、みんなで見上げた星空、校舎の屋上で寝そべりながら語り合った時に浮かんでいたちぎれ雲、丘の上で山の向こうを見つめながら自分が進もうとしている未来を思っていた時に吹いてきた風―――が蘇ってきます。…そんな経験はいっぺんも無いんですけどね。
―――羽生生純(漫画家)