FEEDER "Generation Freakshow"
2012(VICTOR ENTERTAINMENT) ¥2,625(taxin)
昨年2011年には結成15周年を迎え、本国イギリスではレディング&リーズフェスティバルのメインステージ、日本ではFuji Rockグリーンステージ出演を果たし、まさに脂が乗りきっているFeeder。そんな彼らの通算8作目のスタジオアルバム「Generation Freakshow」がいよいよ発売となる。
まずここで、『なぜPOWERPOP ACADEMYでFeeder?ザッツUKロックなバンドじゃ?』という疑問が読者の皆さんに浮かぶだろう。確かに、大ヒットを記録した2002年リリースの『Comfort in Sound」以降、Feederといえば物哀しく情緒あふれるメロディと壮大で感動的なバラード、というイメージが一般的かもしれない。だが、初期のアルバム3作を聴くと、実は彼らの根底にあるのが骨太でストレートなサウンド、キャッチ―でアグレッシブなメロディだとよくわかる。ボーカル・ギターのGrant Nicholasも「僕らが一番得意とする、クラシックなFeederに立ち戻りたくなった」とインタビューで語るとおり、今作『Generation Freakshow』では、そんな彼らのルーツと、培ってきたキャリアが融合した”Feeder節”が再炸裂している。1曲目の「Oh My」のミドルテンポで刻まれる王道バンドサウンドに始まり、シンガロング必至のメランコリックな美メロが映える3曲目「Idaho」。さらに、アルバムタイトルソングでもある「Generation Freakshow」では、分厚いギターアンサンブルとシンプルで力強いメロディが混然一体となってフックを効かせる。これはもう、どこからどう切り取ってもパワーポップとしか言いようがないじゃないか。しかも、極上の!
本編の最後には3.11東日本大震災の際に、約2週間後という異例のスピードで発表したチャリティーソング「Side By Side」も収録されているほか、日本盤限定ボーナストラックには、盟友でありパワーポップ好きを公言する後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)と細美武士(the HIATUS)がヴォーカリストとして参加。邦楽・洋楽ロックファンを問わず嬉しい、まさにボーナスの名に相応しいトラックが収録されている。
Track Lisiting:
①Oh My
②BORDERS
③IDAHO
④HEY JOHNNY
⑤QUIET
⑥SUNRISE
⑦GENERATION FREAK SHOW
⑧TINY MINDS
⑨IN ALL HONESTY
⑩HEADSTRONG
⑪FOOLS CAN'T SLEEP
⑫CHILDREN OF THE SUN
⑬SIDE BY SIDE ※
⑭IDAHO / Masafumi Gotoh
(ASIAN KUNG-FU GENERATION) Vocal version ※
⑮GENERATION FREAKSHOW / Takeshi Hosomi
(the HIATUS) Vocal version ※
※日本盤ボーナス・トラック
MEMBER
Vocals, Guitars, Keyboards and Percussion by GRAND NICHOLAS
Bass Guitars by TAKA HIROSE
SITE
OFFICIAL: http://www.feederweb.com/
JAPAN OFFICIAL: http://jvcmusic.co.jp/feeder/
LISTEN
BIOGRAPHY
1992年結成。南ウェールズ出身のグラント・ニコラス(ギター、ヴォーカル)とジョン・リー(ドラム)がロンドンに移り、そこでバンド・メンバー募集の広告を通じてタカ・ヒロセ(ベース)と1995年に出会う。
1996年春に「スイム」と名付けられたミニ・アルバムでデビュー。その後シングルを数枚リリースした後に1997年5月にデビュー・アルバム「ポリシーン」を発表。「METAL HAMMER」誌ではアルバム・オブ・ジ・イヤーに選ばれたこのアルバムは、同年秋にリリースされスマッシュ・ヒットを記録した"ハイ"を収録して再リリースされることになった。その後はアメリカへも進出を図り、長期のツアーを98年には行う。
そのツアー後セカンド・アルバム「イエスタデイ・ウェント・トゥー・スーン」をレコーディングし、アルバム前にシングルを2枚リリースし、ウォームアップ・ツアーをこなした後、99年にそのアルバムはリリースされ、全英総合チャートで初登場7位を記録した。この年にはイギリスでの数多くのフェスティヴァルに出演、ツアーを大成功におさめた。この年にフジロックフェスティバルでも遂に初来日を果たすこととなった。2000年1月には初の単独来日公演も成功に収めている。
2001年にはギル・ノートンをプロデューサーに迎えた「エコー・パーク」を発表。全英アルバム・チャートでも堂々の初登場5位を記録した。バンドはヨーロッパ、日本、アメリカと勢力的にツアーを行う。この年は再びフジロックフェスティバルのステージを踏むこととなった。
2002年1月にはジョンが自宅にて自らの命を絶つ、という突然の悲劇が訪れる。残された2人のメンバーはその悲報を乗り越え「あくまでも前進していく」という道を選択した。3月スカンク・アナンシーの元メンバー、マーク・リチャードソンをサポート・ドラマーに迎え、デモ制作からそのまま新作のレコーディングに突入、完成した4thアルバム「コンフォート・イン・サウンド」は10月にリリースされ、全英初登場6位となり50万枚以上のセールスを記録している。2003年3月には2度目の来日公演を行った。
翌年を新作の制作に費やしたバンドは2005年には通算5作目のアルバム「プッシング・ザ・センシズ」を発表、全英初登場2位を記録した。このアルバムからマークが正式メンバーとなった。アルバム発売直後には英ダウンロード・フェスティヴァルでヘッドライナーを努めた。その後春にはヨーロッパ・ツアーを行い、また、R.E.M、U2のヨーロッパ公演でのサポート・アクトにも抜擢された。そして7月にはフジロックフェスティバルに3度目の出演を果たした(ホワイト・ステージに登場)。その後11月には単独公演が大成功のうちに終了。
2006年には「シングルス」と題されたベスト・アルバムを発表。前作同様全英最高2位を記録した。その年末には日本に再びツアーで訪れている。
2008年、通算6作目となるアルバム「サイレント・クライ」発表、全英では8位を記録した。その年の夏にフジロックではレッドマーキーのヘッドライナーを努め、英レディング/リーズでもメイン・ステージに登場した。翌年2月には来日公演を行うも、その後マークの脱退が発表された。
2010年スリーピースのシンプルな編成でステージを行う別プロジェクト「レネゲイズ」の活動を開始。6月には代官山UNITにて来日公演えお行う。2011年通算5度の出演を経てフジロックのグリーン・ステージに登場。ラストにはかねてより親交のあるLUNA SEAのINORAN氏とthe HIATUSの細美武士氏が飛び入りで登場。ニルヴァーナの“ブリード”をカヴァーして話題となった。
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