Jul 2, 2007
THE BEAT “The Beat”
THE BEAT / The Beat
(1979/Wagon Wheel/USA)
パワーポップ史に残る名曲 "Hanging On The Telephone"(ブロンディによるカバーが有名)を残したザ・ナーヴスはシングル1枚のみを残し惜しくも解散。3人のメンバーのうちギターのジャック・リーはソロへ、ベースのピーター・ケースはプリムソウルズを結成、そしてドラムのポール・コリンズは楽器をギターに持ち替えマイクを取り、ザ・ビートを結成する。
メンバーはポール・コリンズの他、スティーブン・ホフ、ラリー・ウィットマン、マイケル・ルイーズの4人。その後、UKのスカバンドと同名であった為、ポール・コリンズ・ビートを改名する。セルフタイトルを冠した "The Beat" は79年のリリースした彼らのファースト・アルバムだ。
現在のアメリカン・パワーポップの源流というべき作品で、ノリが良くてロケンローしてて最高。なにしろ曲がキャッチー! 生まれながらにしてクラッシックという離れ業をやってのけています。その音の特徴を端的に例えると、ラモーンズやブロンディ、ディクティターズのようなハイエナジーなロック/パンク・グループのスタイルに近いといっていいだろう。
その「ビート」というバンド名に違わないリズム楽器の小気味良さとエッジのあるギターは、いま聴いても全然古臭さを感じない。マジでカッコ良過ぎです。そのフックのあるメロディとコーラスは、バブルガムぽくもあり、またパンクぽくもあり、一度耳にすればすぐ覚えてしまうような親しみやすさだ。
マフスもカバーしてた "Rock N Roll Girl"(M-1)、Don't Wait Up For Me"(M-4)、エクスプローディング・ハーツがカバーしてた "Walking Out On Love"(M-6)、ちょっとサーフ・テイストな "U.S.A."(M-8)、"Let Me Into Your Life" 等など "Hanging On The Telephone" に負けないぐらいアンセム級のポップ・チューンばかり。全曲捨て曲なし、掛け値なしのマスト・オア・ダイ盤。
現在(これまた名盤の)セカンド "The Kids Are The Same"(82年)と一緒になった 2 in 1 のCDも出ているので、買うならこちらの方をお薦めします。